ビオラの育て方

ビオラ

ビオラという花をご存じですか?名前を聞いても花の姿が思い出せないという方も、写真を見れば、「あぁこれがビオラなのか」と思われるでしょう。ビオラは目にする機会の多い花なのです。

それはビオラが初心者でも育てやすい花だから。花の姿も華やかでかわいらしいため、押し花でも定番のように使われています。目にする機会が多いのは、植物として咲いている姿はもちろん、加工された姿も含めて、よく使われているためではないでしょうか。

そんなかわいらしいビオラを、ぜひご自身でも育ててみたいと思いませんか?育て方や、押し花として加工する方法をご紹介したいと思います。


ビオラってどんな花?

ビオラはパンジーと同じ、スミレ属スミレ科の花です。ヨーロッパで自生していた野生種が育種されて今に至りますが、花が大ぶりのものをパンジー、小ぶりのものをビオラと呼ばれてきました。

しかし最近では品種の交雑が複雑になってきて、パンジーとビオラの区別は難しいのです。

パンジーと聞くと、花の姿が思い浮かべやすいですよね。華やかに大きな花を咲かせるパンジーと似た姿でありながら、小ぶりに咲くと想像するとビオラのかわいらしさが引き立つのではないでしょうか。

現在多く出回っている品種では、秋から春まで長期間花を咲かせるものが多く、開花が活発でない冬のガーデニングで殺風景になりがちな庭を彩ってくれる、ありがたい存在です。

一年草で、大きくなっても丈は30センチメートル程度。花色も種類が豊富で、寒さに強いという性質があります。開花期が長く、初心者でも育てやすい花です。暑さには弱いので、冬に向けて育てると良いでしょう。

ビオラの育て方

種から育てる

ビオラの種は夏までに入手しておきましょう。入手した種は冷蔵庫の野菜室で保管します。野生種のビオラは冬の低温にあったのちに開花して長く花を咲かせる性質がありますので、冷蔵庫に入れて種に寒さを感じさせると、発芽のしやすさに効果があります。

長く花を咲かせたければ、8月後半から9月中旬ごろまでに種まきを。発芽率を良くしたいと思う場合には9月中旬から9月下旬ごろまでに種をまくのがベストシーズンです。

種は育苗トレーなどで本葉が2〜4枚くらい出てくるまで育ててからポット苗に移植します。ポットで株が大きくなったら鉢植えや花壇に植え替えます。種から育てるとたくさんの苗を育てることができますし、種類豊富なビオラですから、苗が販売されていない種類も咲かせることができるところが利点です。

苗で育てる

秋の初めごろには、苗が出回ります。ポットから苗を抜いて、15〜20センチメートル間隔で植えます。土は一番下の葉でも地上に出ているくらいの、浅すぎず深すぎない程度に掘って植えるようにしましょう。

育て方のポイント

栽培環境

日当たりと風通しの良い場所を選びましょう。土は清潔で、水はけの良い環境を好みます。

水やり

過湿にならないようにします。庭に植え付けた後、水を十分に与えれば、その後、与える必要はほとんどありません。鉢植えの場合、表面の土が乾いているようなら、たっぷり水を与えます。

肥料

ビオラ用の培養土を使っていない場合には、緩効性肥料を混ぜた土で育てます。苗を植えてから冬の間は肥料を必要としませんが、花が咲いてきたら液肥を月2〜3回程度与えます。

病気・害虫

低温期は水がなかなか乾かず、灰色かび病が発生する場合があります。水やりをする場合には午前中に行うと良いでしょう。秋には葉に赤褐色の斑点病を生じることがあります。害虫となるのはアブラムシやナメクジで、春ごろには特に注意が必要です。見つけたら駆除しましょう。

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押し花にする方法は?

押し花ってかわいいですよね。造花ではなく実際のお花で作ると、自然な風合いが出ます。押し花にしやすいのは、水分が抜けやすい花。

中でもビオラは、押し花にするのにとても人気があります。サイズ感も程よく、バリエーションが豊富なため、オリジナルの作品を作りたい方には創作意欲がかきたてられますよね。

よく使う道具

乾燥シート

押し花専用の乾燥シートというものがあります。一緒にクッションペーパーも入っているものもあり、花を傷めることなく、きれいな押し花に仕上がります。

これからいくつかの方法を紹介しますが、いずれの方法でも乾燥シートを使います。ティッシュやキッチンペーパーでも代用できなくもないのですが、仕上がりのきれいさを追求するなら、ぜひ乾燥シートを準備しましょう。

ピンセット

花を並べたり、シートからはがしたりする際には、ぜひピンセットを使いましょう。特に乾燥した後は破れやすくなっています。押し花専用で先が丸くなったタイプもあります。

本に挟んで押し花にする

古くから押し花と言えば、本に挟む方法が知られていますよね。辞書のように厚い本に押し花専用の乾燥シートを挟み、押し花にしていきます。花からは水分が出てくるので、本を汚してしまうことも。本を汚したくない場合には乾燥シートの外側に新聞紙やダンボールを重ねます。

ビオラを置くときには、仕上がりを想像して葉と花を分けて押し花にしていった方が作品を仕上げる際の使い勝手が良いでしょう。本で押し花にする方法は、光熱費もかからず手軽です。完成までには少し時間がかかりますが、簡単さは魅力ですよね。

電子レンジで押し花を作る

押し花専用の乾燥シートとシートを覆える程度の大きさのダンボール、輪ゴムを準備します。

ダンボールの上に乾燥シートを敷いてビオラを並べたら、乾燥シートとダンボールをさらに重ねます。仕上がりを平らにしたいので、輪ゴムを十字にかけて、電子レンジで加熱します。

加熱時間は500ワットで1分程度。取り出して様子を見たときに、パリパリな状態になっていれば乾燥が完了です。しなっとした感触が残っていたら、もう少し電子レンジにかけましょう。

時間がかからず一気に作ることができるので、押し花を使った作品を作ろうと思い立ったらすぐに実行に移せるのが良いですよね。電子レンジとの相性がわかるまでは、少しずつ確かめながら押し花にしていくと良いでしょう。

アイロンを使って押し花にする

押し花専用の乾燥シートにビオラを挟み、アイロンを押し当てていく方法です。平らに仕上げたいので、アイロン台の上で行うと良いでしょう。様子を見ながら少しずつアイロンを押し当てていきます。パリパリとした感触になったら完成です。

電子レンジ同様、短時間で押し花にできるうえ、ダンボールをいちいち外して様子を確認するような手間もかからないので、とても手軽に押し花を作れます。慣れないうちはシワが寄ってしまったり、色を黒ずませてしまったりすることもあるでしょう。少し多めにビオラを準備して臨んだ方が良いかもしれません。

まとめ

初心者でも育てやすい、ビオラ。花が少なくてさみしい季節に長い期間花を咲かせてくれるところもうれしいですよね。

1年草は枯れてしまった後がさびしいですが、押し花にして作品を作ればずっとかわいらしいビオラの姿を楽しむことができます。バレッタ、ネックレス、イヤリングといった定番アイテムだけでなく、最近はスマホケースも人気です。

買おうと思うとなかなか高価なこれらの作品も、自分で作れば楽しいうえにコストを抑えることもできますよ。また作品は世界にたった一つです。自分で育てたビオラで作れたら、愛着もひとしおですよね。

ぜひビオラを育てて押し花の作品を作るところまで満喫して、長い間かわいらしい姿を楽しんでください。

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