【クレマチスの育て方】3つの苗の種類と種類別の剪定方法

【クレマチスの育て方】3つの苗の種類と種類別の剪定方法
ガーデニングで庭を彩るツル性の植物であるクレマチスは、大きな花をつけ、日本原産のカザグルマや中国原産のテッセンなどから品種改良されたものなど多くの品種をもち、その数は2000種を超えるとされます。そこで今回は、初めて育てる場合でも上手くツルを絡ませてきれいな花を咲かせることができる方法や、選定方法について詳しくご紹介します。

「クレマチス」ってどんな花?

クレマチスは北半球に多く自生しているツル性の植物で、樹木などにツタを絡ませ、その丈夫さと見た目の華やかさから、ガーデニングでアーチを作る時などに活躍します。世界中に原種が存在しており、日本では花の形からカザグルマ、中国ではその頑丈なツルからテッセンと呼ばれています。

大きな花に見えますが、実は一番外側の花びらのように見える部分は、元々は葉だった部分が変化した萼で、花と同じ色をしています。しかし見た目の華やかさから、品種改良が多く行われており、園芸用のものは2000種を超える品種があるとされています。

【クレマチスの育て方】3つの苗の種類と種類別の剪定方法

クレマチスの苗の種類

毎年花を咲かせてくれるクレマチスですが、その花の咲き方から品種は大きく3つに分けられます。

1.新枝咲きタイプのクレマチス

新しく春に生えた枝から花が咲くタイプで、剪定も難しくないので初心者向けのタイプです。花びらが細く反り返ったテキセンシス系や、小さめの花を咲かせるヴィチセラ系などがあります。

2.旧枝咲きタイプのクレマチス

地上部が落葉するため、枯れたように見えますが、そのまま冬を越すことができるタイプです。古い枝から新しい枝が伸び、花を咲かせます。初心者には新枝咲きのほうがいいといわれますが、旧枝咲きでも問題なく育てられます。中国が原産で丸い花が咲くモンタナ系や、花の香りが特徴のアーマンディー系、冬に花を咲かせるシルホサ系などがあります。

3.新旧両枝咲きタイプのクレマチス

古い枝から新しい枝が伸び、それが生育すると新しい枝に花が咲きます。花の剪定をしないと新しい花が咲かないため、手間がかかります。また新しく伸びた枝からも花を咲かせるため、手入れをしないとどんどん咲いてしまう難しさがあります。大きな花を咲かせ、日本が原種となっているテッセン系やテッセンを品種改良したものなどがありますが、比較的長く花を楽しめるものが多いのが特徴です。

基本的にクレマチスは丈夫なことから、剪定に多少失敗しても育てることができます。ただし育てているうちにツルがどんどん伸びてしまうと、好き勝手な方向に伸びてしまうので、剪定が重要なのです。

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クレマチスの種類別選定方法

クレマチスの種類によって、剪定する時期や方法に違いがあります。

新枝咲きタイプの剪定方法

冬と夏に剪定を行います。冬は新しい芽が出ている節以外はすべて切り落とします。夏は半分ほど剪定しますが、伸びすぎて絡みついてしまうようなら、冬のようにほとんどを切り落とします。

新枝咲きの剪定方法が動画で紹介されていますので、参考にしてみてください。

旧枝咲きタイプの剪定方法

冬と春に剪定をします。品種によって剪定方法が変わりますので、注意が必要です。冬はツルが枯れてしまいますが、全体を見て、芽が出ていない枝、また伸びすぎて邪魔な枝は切り落とします。春の剪定は、花を咲かせるために古い枝を少し切り落として短くします。

新旧両枝咲きタイプの剪定方法

品種によって剪定の仕方に違いがあります。花が咲いた後に剪定をしないと新しい花が咲きません。春の開花後、冬に新芽が膨らんだ頃に剪定をします。さらにツルを低い位置に下げるツル下げをしないと、花が均一に咲きません。

剪定方法や花が咲いた後の対処法などが紹介されています。

クレマチスはすぐに生育して広がってしまいますので、芽がついていても邪魔な場合は枝を切り落とすことが必要です。

【クレマチスの育て方】3つの苗の種類と種類別の剪定方法

クレマチスを育てる時に注意するべきことは?

強い植物のクレマチスですが、栽培の際にはいくつか注意が必要です。

直射日光は避ける

真夏の日差しで弱ってしまいますので、植える際には他の植物の陰になる場所や、建物の東側などに植えましょう。鉢植えも可能なので、季節ごとに置く場所を変える方法もあります。

誘引と剪定は必須

クレマチスは近くのものに絡みついて広がるため、絡まって欲しくない場所はあらかじめ避けて巻き付ける場所を設定する誘引が必要です。また伸びすぎた場合は、剪定時期でなくても剪定を小まめにする必要があります。誘引をすることでツル全体に日が当たり成長を促しますので、様子を見ながら行いましょう。

根がつけば毎年花が咲くが植える場所には注意

強い植物であるため、まめに毎日世話をしなくても伸びます。ただし植える場所をよく考えてから植えないと、はびこりすぎて逆に手入れに困ってしまうこともあるので、他の植物とのバランスを考えながら植えるようにしましょう。

【クレマチスの育て方】3つの苗の種類と種類別の剪定方法

クレマチスにつきやすい害虫とその対策

クレマチスにはあまり害虫がつきませんが、湿りすぎた土や乾きすぎた土、肥料不足などは株を弱らせるので注意が必要です。病気になってしまった場合や虫がついた場合、被害を受けた部分は切り落として処分しましょう。

ハダニ・うどんこ病

夏の時期につきやすい害虫と病気です。葉に水をかけることで予防することができます。うどんこ病は初期であれば薬剤の噴霧で対処できますが、悪化した場合は処分するしかないので注意が必要です。

アブラムシ・ナメクジ

春から夏にかけて発生し、クレマチスを枯らしてしまいます。見つけたら取り除くか、薬剤を噴霧しましょう。アブラムシは葉が密集して風通しが悪いと発生しやすくなるので、誘引をして葉の間に風が通るようにすることが必要です。

クレマチスは剪定や誘引で小まめに手入れをすることで、花が引き立ちます。肥料をしっかり与え、丈夫な株を育てるようにしましょう。

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