ムスカリの育て方

花や植物が好きな方はもう知っていると思いますが、そうでもない方はきっと見たことはあるのに名前がわからない、そんな花の一つではないでしょうか。花には珍しい青い(青紫)花を咲かせ、育て方もすごく簡単ということから人気の高い植物です。

これから育てたいという方のために、ムスカリについて詳しくご紹介いたします。ムスカリとはどんな植物なのか、植え方や管理方法なども併せてご紹介しますので参考になさってください。


ムスカリってどんな植物?

ムスカリというのが一般的に出回り始めたのは1980年ごろからになります。その歴史は古く、6万年も前にイラクの北部にある「ネアンデルタール人」の遺跡の中から、亡くなって埋葬するときにこのお花を故人にたむけられていたことが判明しました。

このことから最も古い埋葬花としても有名です。栽培が始まったのは1500年代終わりからになり、分布地は中近東やヨーロッパ、小アジアなどの広い地域に及んでいます。

決して主役になるような植物ではなく、チューリップなどを引き立てるためのわき役的な存在として使われることが多かったムスカリ。ですが現在では様々な工夫がなされることで、贈り物のお花としても人気を集めるようになりました。

花の色は青色(青紫色)がメジャーですが、他にも白や桃色といった色などもあり、部分的に黄色といった色のものもあります。見た目小さなつぼみがぶどうの房のように集まっているのですが、それがこのムスカリのお花になります。品種はなんと50種ほどあります。

ぶどうの房のような見た目とヒヤシンスと近縁というところから「ぶどうヒヤシンス」「グレープヒヤシンス」という名前も付けられています。香りはマスクメロンのような香りで寒さにも暑さにも強く、一度植えれば数年は植えっぱなしでOKなので、ガーデニング初心者の方の間でも人気がある植物となっています。

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ムスカリの花言葉とは?

このお花が埋葬花ということは先にご紹介していますが、そこからついた花言葉で「失意」「絶望」「失望」といったものがあります。とても悲しく暗い印象をもってしまうのですが、このほかにもお花の色別で花言葉がつけられていますのでご紹介いたします。

ピンクのムスカリ

あまりみかけることがないかもしれませんが、ピンク色のムスカリも存在しています。あの小さな一つ一つがピンク色だと想像してみてください。とても可愛い花であることは間違いありません。

ピンク色のムスカリは、周りを明るくしてくれるほどの印象を持っています。この色特有の言葉はまだありませんが、そのたたずまいから「明るい未来」という言葉がピッタリです。見ているだけで気持ちが明るくなり、前向きになれるお花です。

青紫のムスカリ

ムスカリといえばこの色です。実はこの色にはポジティブとネガティブの、2種類の花言葉が存在しています。

ポジティブな方は「明るい未来」「寛大な愛」「通じ合う心」「夢にかける思い」という物になります。かなり良い言葉ばかりとなっています。

ムスカリの花は、いくつもの小さな花が寄り添い集まって咲いています。その様子はまるで家族のようではありませんか?そのイメージからこういった花言葉がついたと考えてもおかしくないのではないでしょうか。

一方ネガティブな方はというと「憂鬱」「失望」「悲嘆」といったものです。そもそもヨーロッパ地方ではこの色があらわすのは「悲しみ」なので、こういった花言葉がついてしまうのも当然といえば当然です。ですが、これらの花言葉を気にされる方にとってはあまりいただきたくないお花になってしまいます。

ただこういったネガティブ志向な花言葉は海外だけのものです。日本国内ではポジティブな花言葉がついていますので贈り物にもおすすめです。

他にも白のムスカリがありますが、白には特に花言葉は存在しません。ピンク色同様、とてもかわいらしく見ていて心が癒されます。花言葉がついていない分、誰かにお花を贈るときには使いやすいですね。

ムスカリの植え方

ムスカリの球根は夏場と春先に目が出た状態の苗があります。球根を購入するときはしっかりとカビなどが生えていないか確認してください。また、苗の状態のものを購入するときは、葉っぱが伸びすぎておらず色も鮮やかできれいなものを選んでください。

今回は、ムスカリの球根を使って植え付ける場合の方法で、「鉢植え」「地植え」の2通りのパターンをそれぞれを詳しくご紹介いたします。

鉢植えの場合

植え付けは9〜10月頃に行います。鉢は直径15cm程度の5号の鉢で球根の数は約7つ程度植えつけることができます。使用する土は3割程度腐葉土が入っている草花用の培養土を使用するのが良いでしょう。

鉢に緩効性化成肥料を混ぜた土を入れたら、ムスカリの球根先端が3〜4ミリくらい頭を出すような感じで植え付けてください。日当たりの良いところに置いておきましょう。

地植えの場合

地植えをする場合、場所選びが非常に重要になってきます。土質は水はけのよい砂質がかったもので、日当たりの良いところ選んでください。

鉢植えの時とは違い、球根は土の中に埋め込んでしま居ましょう。だいたい先端から5cm程度(球根1個分くらい)土をかぶせる感じにします。球根を植えるときは5〜6cm程度間隔をあけておいてください。少し詰め気味で植えると、花が咲いたときに見栄えします。球根の上に土をかぶせたら、その上に化成肥料を施してあげます。

鉢植えの場合も地植えの場合も同様なのですが、植え付け時期が9〜10月だと葉っぱの方が先に育つので、お花が咲くころには葉っぱが育ちすぎてだらしない感じになってしまいます。

葉っぱも花が咲く頃にはピンとしていてほしいという場合は、植え付けを10月の下旬〜11月初旬頃にするとよいでしょう。そうすることで、秋から冬の間は葉っぱがほとんど成長することがありませんので、開花時期に短く元気な葉っぱになってくれるはずです。

ムスカリの管理は?

植え付けがすんだらその後の管理も大切です。水やりなど育て方についてポイントごとにご紹介いたします。

水やり

地植えをされた方は、土の表面が本当に乾燥して乾ききっていたら水を上げるようにする程度で大丈夫です。基本的に水やりをすることはありません。ですが、土の状態がどうなっているのかは毎日確認しておくようにしましょう。鉢植えをされている時は、土の表面が乾いてからしっかりとお水をあげればOKです。地植えと違って鉢植えの場合は、水やりをこまめに行うことになります。

肥料

先の植え付けの時にも書いていますが、最初に緩効性化成肥料を使用します。次に肥料をあげるのは、花が咲き終わった後と植え付けの時期だけです。花の咲き終わりは5月になります。10〜15日間隔で液体肥料を与えてあげるようにしてください。

置き場所

植え方のところでも書いていますが、鉢植えの場合は日当たりの良いところに置いておくようにしてください。どうしても時間の経過とともに日陰になってしまうという場合でも、1日の中でしっかりと日の当たる時間があればOKです。寒さにも強い植物ですので、冬でも戸外に植えっぱなしにしておいても大丈夫です。球根にしっかりと栄養を与えていれば問題ありません。

一つ注意していただきたいのは「梅雨」のシーズンです。戸外に植えっぱなしでいいのですが、鉢植えの場合はできるだけ雨の当たらない涼しい場所に移してあげるようにしてください。

花後

花を楽しんだ後のお手入れも重要なポイントです。そのままにしてしまうと必要な養分が全て種にもっていかれてしまいます。球根が養分を蓄えられるようにするために、花後は花茎部分を付け根あたりからカットしてしまってください。もし残っている葉っぱが青々としていたらもう少し待ってください。

花後はこの方法で管理してもらえばまた次のシーズンにも花を咲かせてくれます。ただし2〜3年くらいで堀上げを行ってください。堀上げは花後6〜7月頃に行います。

球根を堀上げたら、風通しの良いところで置いておきます。秋の植え付けシーズンにまた植え付ければ、花の咲く季節になる頃にはかわいいムスカリの花を楽しむことができます。

ムスカリを室内で楽しむ方法

ムスカリは暑さにも寒さにも強い植物なので、戸外で育てる印象が強いです。ですがあのかわいいお花を室内でも楽しみたくありませんか?お部屋に飾りたいと思っている方もいらっしゃるはずです。

お部屋に飾る場合は、球根がついているムスカリを用意してください。他にはムスカリを入れる空き瓶とコケ、軽石を準備します。空き瓶などは100均ショップで可愛いものがたくさんありますので、お好みのものをこの機会に購入されてもいいですね。

瓶の底部分に軽石を入れてから少量のコケを入れます。そこに球根付きのムスカリを入れて、球根の周りに少しコケをかぶせてください。風通しがよく日当たりも良い窓の近くなどに置いておきましょう。

水はコケが湿っている程度でOKです。瓶だけでなくガラスの器などを使っても飾ることができます。プレゼントでいただいたお花をお部屋に飾っても、あまり日持ちがしませんよね。ですがムスカリなら比較的長くそのお花を楽しむことができるので是非一度お試しになってみてください。

ムスカリでガーデニングデビュー

ガーデニングをされている方はたくさんいらっしゃいます。いろんな花が咲いているお庭やベランダ、とっても憧れますよね。花や植物を上手に育てている方というのは、気持ちにも余裕のある毎日を送っているようにみえます。でもいざ始めようとなると「簡単なお花です」といわれていても、やはり実際育ててみるとうまくいかなかったりすることが多くありませんか?

ムスカリならそんな心配もありません。寒さにも暑さにも強く、戸外でも室内でも元気に育ってくれるので、本当にガーデニングデビューにおすすめの植物だといえます。

今回育て方を最後まで読んでいただいてお分かりになっていただけたと思いますが、水やりや肥料に関しても難しいことは一切ありません。根腐れしないようにだけ注意してあげれば、元気に花を咲かせてくれます。手間もかからないので忙しい方でもガーデニングを始めることができます

始めて育てた植物が元気に花を咲かせてくれたら、それだけで「次はあのお花にしよう」とガーデニングが楽しくなってくるはずです。ムスカリで花のある生活を始めてくださいね。

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