チューリップの育て方

春におなじみのチューリップは、カップのようなその形はもちろん、色も多彩です。子供から大人まで誰でも知っているなじみのある花でもあります。ただ球根から育てることは知っていても、どんな土に植えたらいいのか、またどうやって育てればいいのか、また季節が過ぎた球根はどうすればいいのかなど、細かいことはよく知らないということも多いのではないでしょうか。チューリップの花について、また、花をきれいに咲かせるにはどう植えたらいいのかご紹介します。


チューリップってどんな植物?

チューリップはユリ科の植物で、小アジアのアナトリア、イランやトルコなど乾燥した気候であるステップ地帯の国が原産の花です。日本には明治の初め頃に伝わりましたが、外国人や上流階級の人向けであり、大正時代に本格的に栽培が始まりましたが、当時はまだ高値の花でした。しかし冬場の農閑期にチューリップを栽培することで、貧しい農家が救われ、その結果多くの日本産のチューリップが作られることにもつながりました。チューリップの日本名は鬱金香といいますが、黄色の染料として使われるウコンに似た香りがすることから名付けられました。品種改良され、香りのよい品種も出てきています。

国際的に登録されているチューリップの品種は、5000種を超えるとされ、世界で栽培され流通しているチューリップだけでも1000品種ほどあります。元となる150品種からさらに品種改良されたものがあり、開花する時期によって、早生、中生、晩生があり、これに原種を加えた4品種からさらに花の形などから15の系統に分類されます。一重のもの、八重のもの、ユリのように花弁の先が尖っているもの、といった花びらの形での分類がされていて、それぞれに特有の形や色があります。1本の茎に1つの花が咲くのがチューリップの特徴ですが、複数の花がつく品種もあります。

家でチューリップを植える際には、品種も確認が必要ですが、咲く時期を揃えるためにもいつ咲くのか、揃えて育てたいならどこまでの丈伸びるのかを確認し、球根を選ばなければなりません。開花時期は、「早生」なら3月末から4月の中旬ぐらい、「中生」なら、4月半ばから4月末頃、「晩生」ならは4月末から5月の初めぐらいまで咲きます。

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チューリップの植え方

チューリップは種から栽培できますが、球根になるのに時間がかかり、一般的に園芸店などでは球根の状態で販売しています。花の咲く時期を考えながら購入しましょう。植え付けは鉢植えでも庭植えでも可能ですが、日当たりのいい場所の方がよく育ちます。

チューリップを植えるのに適した土

原種が元々少し乾いた気候で育っていますので、一般的に土はどのようなものでも問題はありません。ただし水はけのよい土の方が、球根を枯らすことがないのでおすすめです。混ぜるのであれば赤玉土と腐葉土を7:3の割合にするといいでしょう。鉢植えの場合は底に川砂や細かい石をいれましょう。市販されている球根用の土を使うと簡単です。

チューリップを植える場所

鉢植えをおく場所や庭植えで適しているのは、日当たりの良い場所です。寒さに強いチューリップは、芽を出させるのに、寒さを経験させることが大切です。ただし、乾燥が苦手なので、冬の期間、土が気温に比べて乾いていないか気をつけましょう。

チューリップを植える深さ

球根を植え付ける時期については、球根のパッケージなどに明記されているので、それに従いましょう。大体が冬の来る前、10月から11月頃に植え付けます。この時に注意したいのが、植え付ける際の深さです。球根は芽が出るまで時間がかかりますが、根をしっかりと伸ばすことが必要なので、あまり深いと根が張れず、逆に浅いと根の力で球根が持ち上がってしまい、土から出てしまい、乾燥してしまうことがあります。

鉢植えの場合は深さは2cmほどのところに植え、球根と球根の間は球根1つ分のすき間を空けます。あまり何個も一緒に植えないよう注意しましょう。庭植えの場合は、球根2つ分ぐらいの深さに植え、球根同士は球根2つ分のすき間を空けましょう。詰めて植えた方が咲いた時に見た目にきれいですが、生育に支障が出ることもあります。

球根を植える手順

1.球根の茶色の皮がはがれそうなら取っておく(病気の有無を見るため)
2.球根消毒液で消毒する
3.鉢や庭で植える場所に穴を開ける
4.球根の尖った部分を植えにして植える
5.土をかぶせる

土の表面が乾いてきたら水やりをしましょう。ただし、水をやり過ぎると球根が腐ってしまいますので、指などで状態を確認しながら水やりをするようにします。

肥料のやり方

肥料は球根を植え付ける際に、時間をかけて土に染みこんでいくタイプのものを使えば、芽が出るまでは水やりだけでもかまいません。芽が出てきたら液体タイプの肥料を10日に1回与えます。

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チューリップの日々の管理

チューリップの花が咲いたら、水やりと肥料を与える他は特にすることはありません。見た目に不要な枯れた葉などを取り除く程度にしておきましょう。また病気で弱っているものや成長が悪いもの、芽が出ない球根は早めに取り除きます。

花が咲いたら、切り花にしない場合はそのまま花が枯れるまでそのままにしておいてかまいません。ただし花が枯れてしまったら、花がら摘みといって、早めに花を摘まないと栄養分が取られ、種ができてしまいます。球根にのみ栄養が行くように、子房と呼ばれる花の下の最初の節の部分まで切り取ります。その下の花茎と葉ですが、こちらは光合成で栄養を作るために必要な部分なので、自然に枯れるまでは何もしないようにしましょう。花が終わった後は土が乾かないように水やりが必要ですが、肥料は球根を腐らせますので与えないようにします。

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チューリップの花は来年も咲かせることができるの?

チューリップが咲く時期は、球根が育つ前に葉が枯れてしまうことが多く、来年も同じように咲かせるためには球根が十分に育つことができないことがほとんどです。鉢植えの場合は球根を掘り出さず、水をやらないでそのままにしておきましょう。庭植えの場合、6月頃には葉が黄色くなりはじめますので、掘り出して球根を分けます。

球根が小さい場合は、保存していても芽を出さないことも多いため、同じ球根で何度も花を咲かせるより、球根を毎年購入した方が確実に咲きます。庭植えで球根を保存したい場合は、土をはらい、秋まで涼しい場所で保管します。この時大きい球根だけを残すようにしましょう。

チューリップが美しい花をつけるには、植えるタイミングをしっかり見極め、冬でもしっかりと水をあげなければなりません。根がしっかり伸びるには、10度から15度の土の温度が最適なので、紅葉が見頃になってきたら植え付けを始めるといいでしょう。

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