チューリップの球根の堀り上げ方

球根で花を咲かせる「チューリップ」ですが、花が終わった後の球根の処置の方法をご存知でしょうか?チューリップは花が咲くころには新しい球根が大きくなり始めているため、このときの処置が重要になります。


球根はいつ掘り上げる?

花が終わってまったチューリップは、葉を全て残してめしべ・花びらを手で摘みます。花が終わった状態でも、チューリップの葉が緑色の間は水をあげることを忘れないようにしましょう。土が乾かないようにしておくことが大切ですが、肥料を与えてしまうと球根が腐る原因となるのでやめましょう。

球根の堀り上げサイン

チューリップの開花が終わり、およそ1ヶ月半たった5月末から6月が球根を収穫する時期ですが、地域によって気候が違い、誤差も多少みられます。目安として、チューリップの葉が黄色く枯れ始めたら球根を堀るサインです。

球根を堀り上げる理由

チューリップは元々、高原地帯涼しい場所に生息する植物でした。日本の蒸し暑い夏の気候では、土の中に植えっぱなしにしておくと球根が土の中で弱ってしまいます。翌年の春には栄養を消耗してしまい花を咲かせることが困難となります。そのため暑い夏に備えて土の中から堀り上げ、秋まで風通しの良い涼しい場所に保管する必要があるのです。

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球根の掘り上げ方

球根はとてもデリケートですので、傷を付けたりしないように丁寧に堀り上げる必要があります。ポイントを押さえて上手に堀り上げましょう。

1、シャベルなどを用いて球根を傷つけないように堀上げます。

2、球根を持ち、根や茎はひねりながら外してください。球根に土が付いている場合は軍手で拭き取り余分な土を取る程度にします。そのとき、茶色いの球根の皮が剥けても問題ありません。

※保管している間、球根が腐る要因となるので、水で洗うのは絶対に避けましょう

3、ポイントは大き目の球根だけを残します。分球(ぶんきゅう)で増えるチューリップは、1つの茎に大きな球根、そして周りに小さな球根がいくつかあります。残念ながら小さい球根には花を咲かせる力がないので、大き目の球根だけを翌年まで保管します。

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掘り上げた後の保存は?

球根を堀り上げた後は、ネットなどに入れ、翌年の植え付けするまでの間、日があたらず、風のよく通る場所に置いておきましょう。球根に傷ついてしまうと植え込みをした際に芽がでなくなるため、球根の扱いには十分に気をつけましょう。

7月から9月の保管時期の球根

この時期は球根は球眠期です。この球眠期に新たな花弁・おしべ・めしべ・茎といった全ての器官の元が作られます。また、栄養が詰まったりん片の根元の部分には子どもの球根も作られ、活発に成長をしています。球根の成長を促すために涼しく換気の良い場所で保管を心がけましょう。

チューリップの球根には低温が必要

球根が開花するには低温管理が必要になります。そのメカニズムは、低温により球根内部で植物ホルモンが作られ様々な成長活動が起こる仕組みとなっています。球根の中の澱粉粒が分解されて小さな糖になり、花茎に送られます。そして糖は細胞の液胞に溜まり、より水分を取り入れやすくなり細胞の成長を促してくれます。細胞が大きくなるということは茎や花が成長することに繋がります。

チューリップの開花時期

チューリップの開花時期は桜の開花と似ています。その年が暖冬だからといって早く開花するわけではなく、暖冬がずっと続けば逆に開花は遅れてしまいます。実は開花に必要なのは暖かさに加えて一定の寒さです。冬に一定期間の低温にさらされることで花芽は開花の準備をはじめています。そして一定期間の低温の時期が過ぎて春が来ると、気温の上昇と一緒に花芽は一気に伸び開花するのです。

桜の場合はソメイヨシノが80%を占めていますが、チューリップには色々な種類があるため、早生・中生・晩成と様々な開花時期に分かれます。

一定期間低温にさらされていれば、植え付けの時期を変えても開花時期は変わりません。

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球根の植え付け時期

チューリップの植え付けは「紅葉が身ごろの時期」を目安にしましょう。店頭では9月頃から球根の販売をはじめますが、この時期に購入してもすぐに植え付けをしないようにします。球根が伸びるのは最適温度が10℃〜15℃くらいのため、20℃以上の暖かい土では根が上手く育たないためきちんと成長しません。

日本の紅葉の見頃は北から南へと移動します。紅葉の見頃こそ球根の植え頃にピッタリの気候になっていますので、紅葉を目安にしてください。

逆にいつまでにチューリップの球根を植えればよいのでしょうか。チューリップは寒さに強いので雪が積もるまで、もしくは霜が降りるまでに植え付けを終わらせていれば大丈夫です。ただ、より立派なチューリップの花を咲かせたいのならば、紅葉が終わる頃までが一番よい時期となります。(紅葉の見頃から約1ヶ月が目安です)

エリア別植え付け最適期

・北海道・東北地域:10月上旬以降

・北陸・中国日本海側地域:10月下旬以降

・関東・東海地域:11月以降

・近畿・瀬戸内海地域:11月以降

・九州地域:11月下旬以降

まとめ

チューリップは寒さには強いものの、球根自体は傷に対してとても弱い植物です。球根で扱うときには花の開花にも影響してきますので丁寧に取り扱い、大切に保管してください。

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