花を植えるための土作りのやり方

忙しい毎日の中でお花が周りに少しでもある生活っていいなと思い、ガーデニングを始めた方もいらっしゃることでしょう。きれいなお花が自宅の一角にでもあると、本当に癒されるものです。また昨今、ガーデニングの楽しみの1つに土をさわる感覚が癒しに繋がるということもよく耳にしますね。

そんなガーデニング初心者の方がより楽しむために何より大切な土作りについてご紹介します。


土作りの重要性

お花を育てるガーデニングにまず欠かせないのが、それを育てる土壌である土といわれます。なんとなく理解はできるものの、なぜそんなにも重要なのかについて少し考えていきましょう。

土作りと植物の関係性

土作りはお花はもちろん、農作物などに非常に大切です。その理由は大きく分けて3つあります。

1.植物の命を支える

植物は土から栄養分を吸い上げて育ちます。そのため、土が植物の命、すなわち人でいう身体を支える働きをしているのです。

2.植物の根を守る

今まで元気だったお花の葉が急に変色した、お花がつかなくなったという変化に悩まされた経験はありませんか?そこで考えられるのが、植物が病気にかかっている可能性や急激な温度変化に耐えきれなくなった可能性があります。植物もわたしたち人間と同じで病気をしますし、急な温度変化には弱いものです。つまり植物の生命の源でもある根っこを守るのことは、土の大切な役割でもあるのです。

3.植物の根に栄養や水分を届ける

植物は根を通して土の中にある栄養や水分を吸い上げて育っています。つまり、土が肥えていることが植物の成長には非常に大切なのです。

お花に必要な土作りのポイント

土作りがお花にとって大事な役割を担っていることは理解いただけましたか?では簡単に、きれいなお花を咲かせる土づくりのポイントを見ていきましょう。以下の3つです。

  • 通気性(空気の通りが良いこと→酸素を根に行き渡らせることが可能)
  • 排水性(水はけが良いこと→根腐れ防止)
  • 保水性(適度に水分を保っておけること→根への水分補給)

これらを保った土が植物の成長に最適だとされ「団粒構造」と言います。参考までに覚えておいてくださいね。

土作りに必要なものは?

では、前述の土作りのポイントでお話したことと重複する部分もありますが、土作りをする上で必要な知識をもう少し詳しく見ていきましょう。これを知っておくことで、土作りが成功するかどうかが変わってきますので、是非目を通してくださいね。

1.水分調整ができる土を作ること

土の中の水分は多すぎても少なすぎても良くないとされています。多すぎると、根腐れが起きてしまいますし、少なすぎるとしおれてしまいます。つまり、水はけや通気性を持った「排水性」と適度な水持ちを保つ「保水性」のバランスが大事なのです。ちなみにこれらは土の粒の大きさ、形、材質によって変わってきますので、どの土を選ぶのかが重要となります。

2.肥料成分が豊富な土を作ること

続いては保肥性(有機性)を持った土を作ることです。少し難しい言葉ですが、要は肥料成分を蓄えることができる土であることです。微生物が好んで寄ってくる土は肥えた土と言われますが、まさに土自体が肥料成分の働きをする土が植物には好ましい土なのです。

3.虫が寄ってこない土を作ること

微生物は土を作る働きもするため、好まれますが病原菌や害虫は別問題です。それによって、根や茎が食い荒らされてしまうと、きれいなお花も育ちません。そこで雑草が生えづらく、虫を寄せ付けない土作りが大切です。

4.酸性とアルカリ性のバランスが取れた土

育てるお花にもよりますが、酸性とアルカリ性のバランスが適度に取れた土がガーデニングにはおすすめだとされています。最近では日本でも酸性雨が降っているため、弱酸性の土壌になりがちです。これらをバランスの良い土にしてあげることが、お花をきれいに咲かせるコツになるのです。

5.肥料のやり過ぎはNG

土作りの流れを知る前に、1つ知っておいていただきたい肥料の誤解についてご紹介しますね。土作りに慣れていない方がついしてしまいがちなミスに肥料のやり過ぎがあります。肥料は植物を元気にするのに大切なものであることは確かですが、やり過ぎると土の力を弱めることもあるのです。

吸収しきれない量の肥料が与えられると、余った肥料はどんどん土の中に蓄積されます。過剰な肥料を含んだ土は本来の力を失くしてしまいます。人間でいう免疫力が低下した状態です。そのため、病原菌に感染してしまうことも多々あるのです。そのため、葉が突然枯れるということも良くあるのです。

また肥料が多すぎると、地下水の汚染にもなるのでわたしたちの生活にも好ましくありませんよね。つまり肥料は多くやればいいという考えは捨てておきましょう。適度に与えるというのが大切です。

土作りの流れ

ではいよいよガーデニングをもっと楽しくするために、土作りの流れを見ていきましょう。土作りは土壌環境の整備ともいわれます。

基本的に、土作りをしてすぐに植物を植えるよりも、植えるべき時期の少し前から土壌環境を整えるのがおすすめです。もし、土の状態が良くない場所の場合は1ヶ月前までに整えておくと、良い状態でガーデニングをはじめることができますよ。では、土作りの5つのステップをご紹介しますね。

1.小石などを取り除こう

1ステップ目は小石や雑草などを取り除くことです。

雑草は生命力が強いので最初にしっかり取り除いておきましょう。生えていることで、風通しが悪くなったり、日光を遮ったり、植物にわたるはずの栄養分を吸い上げてしまうので、お花の成長を妨げてしまいます。草の根っこもしっかりと取り除くように頑張りましょう。

2.客土をしよう

2ステップ目は客土です。

あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、きゃくどと読みます。そもそもの土=原土と性質が異なる土を混ぜ合わせて、土壌を改良することを指します。そのためには、土の状態をしっかりと見極めることが大切ですよ。

3.土を耕そう

3ステップ目は土を耕す工程です。

土を掘り起こしていくのですが、お庭の土であれば30センチを目安にしっかり行ってください。腐葉土などを混ぜ合わせるなど、育てたい植物によっておすすめの土地改良剤を使用しましょう。ふかふかのクッションのような土にするのが目標ですよ。

4.天地返しを行おう

4ステップ目は天地返しです。

これは土の種類にもよりますが、上層部と下層部の土の質が違う場合に必要な工程です。両方を混ぜ合わせるために、天地返しを行います。また、下層部の土も空気にふれさせることで、土のリフレッシュにも繋がるので大切ですよ。

5.酸度を調整しよう

5ステップ目は、土の酸度調整です。

まずは土の酸度を「PH試験紙」などを使用してチェックしましょう。「PH試験紙」はホームセンターなどでも市販されているので手軽に手に入ります。酸性度が強ければ苦土石灰(マグネシウム)や生石灰(酸化カルシウム)などをまき、調整してあげて下さい。植える予定の植物が酸性の土を好むものであれば、この工程は不要ですよ。

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場所別の土作りのポイント

ご紹介した土作りはお庭などの土の場合でした。しかしプランターで育てる場合や、日陰や室内など育てる環境によっても土作りのポイントが違いますので、ご紹介していきますね。

1.プランターの場合

プランターや鉢植えでお花を育てるときは、前述した土作りをした土を用いてもいいですし、市販の土を混ぜ合わせる方法でも構いません。ただし、都度新しい土にしてあげるようにして下さい。土が病気になっていると、その土を使うと次の植物がうまく成長しなくなります。また土の量が少ないため、土が痩せてしまいがちになります。

2.ベランダで育てる場合

ベランダで育てるときは、水持ちを良くする必要があります。それは風通しが良いことが多く、土の乾燥が心配されるからです。

赤玉土やバーミキュライト、ピートモスなどを混ぜ合わせて作りますが、植物によっては単用でもいいでしょう。混ぜ合わせる場合の基本は、以下の割合ですので覚えておきましょう。赤玉土(小粒)6〜7に対して、腐葉土3〜4です。乾燥を防ぐにはバーミキュライトを足してあげるといいですよ。

3.室内で育てる場合

続いては、室内でお花を育てる場合の土の割合をご紹介しますね。

割合は、赤玉土5:腐葉土2:ピートモス3がおすすすめです。室内で育てているとカビやコバエの発生が気になりますよね。それを避けるにはピートモスが大活躍してくれます。

4.日陰で育てる場合

日陰で育てる場合をチェックしていきましょう。

割合は、赤玉土5:腐葉土3:軽石2です。日陰だと土が乾きにくいので、通気性を良くするのに軽石がポイントとなりますよ。

5.酸性を好む植物には?

植物の中には酸性の土が良いものもあります。クレマチス、ガーベラなど、他にも多くありますので、これらのお花を育てる場合の土の割合を知っておきましょう。

鹿沼土6:ピートモス4です。鹿沼土は軽石であり、強い酸性を持っています。形が崩れやすいデメリットがありますので、年に1度は植え替えをすることが大切です。

6.根腐れしちゃったときは?

根腐れしてしまうということ、比較的起こりがちです。そんな植物を救うための再生用のブレンド割合を知っておくと便利です。

赤玉土(小粒)2:腐葉土1:軽石1です。水分が多すぎるので、乾きやすく排水性に優れたものが最適なのです。もし大切に育てていたお花が根腐れをしたときには、諦めずにまずは試してくださいね。

いかがでしたでしょうか?土作りって簡単そうでうまくいかない、ポイントが分からないという方のために、分かりやすく知識をおり込みながらお届けしました。一度に覚えなくてもかまいませんので、困った時の手控えとして生かしてくださいね。

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