ここ数年で、より幅広い年齢層の方が活用するようになった「アロマ」ですが、抽出された香りによって、その効果もさまざまであることはご存知でしょうか。
爽やかな香りで柑橘系の代表でもある「ベルガモット」は、優れた心身への働きがあるのです。今回は、そんな心と身体へのうれしい効果についてご紹介いたします。
「ベルガモット」とは?
ベルガモットは、イタリアの南部地方が原産地の、ミカン科の植物です。白い花を咲かせ、果実はレモン程の大きさで、ややゴツゴツしています。柑橘系の甘く爽やかで、レモンやオレンジ・スイートに似た香りがしますが、その果実は食べたり飲んだりはされません。
圧搾法によって果皮から抽出されるベルガモットの精油は、緑色をしていて、アロマテラピーや、コロン、化粧品類、またアールグレイという紅茶の香りづけなどにも使われています。現在は、イタリアやコートジボワール、ギニア、モロッコ、チュニジアなどで生産されています。
ベルガモットの香りの効果
ベルガモットは、300種類以上もの成分から成り立っていて、主な芳香成分は以下の通りです。
酢酸リナリル(20〜30%)
リモネン(30〜40%)
リナロール(10〜15%)
これらの成分がもたらす、心と身体への効果を見ていきましょう。
心への効果
ベルガモットに含まれる「酢酸リナリル」には、精神バランスを整え、心を落ち着ける鎮静作用があるため、ストレスをやわらげることが期待できます。
また、「リモネン」にはリラクゼーション効果があり、気持ちをリフレッシュさせるので、不安や緊張を解消し、心を明るく前向きにさせたい時にぴったりな精油です。精神的な不安定からくる不眠の解消にも効果的です。
誰からも受け入れられる、爽やかで優しい香りは、落ち込んだ気持ちをなだめて、明るく安定させてくれます。
身体への効果
「リモネン」には、血流を増加させ、血液の循環を高くする効果があるため、冷え性や肩こりを改善することが期待できます。
また、「リモネン」は、胃腸のぜん動運動を促進する働きがあるので、食欲不振や消化不良の解消にも役立ちます。さらに、ベルガモットに含まれる「リナロール」には、抗菌、消毒作用があるとされているため、ニキビや吹き出物、湿しんなどに有効です。
おすすめの使用方法
・入浴・・・お風呂に5滴ほど垂らして入浴します。
・沐浴法(手浴・足浴)・・・洗面器などにお湯を入れ、そこに1〜3滴落として手や足をつけます。
・吸入法・・・小さな器(マグカップなど)にお湯と精油を入れて、立ち上がってくる湯気を鼻や口から吸い込みます。
・トリートメント・・・植物性のベースオイル(キャリアオイル)に精油を数滴垂らし、身体全身のマッサージに使います。
代表的な精油である「ラベンダー」と相性が良いです。緊張を解きほぐしてリラックスしたいときには、ぜひブレンドしてみましょう。
アロマランプや精油対応の加湿器に入れて寝室に置き、寝る前に使用すると、ゆったりと心地よく眠れるでしょう。
使用上の注意点
光毒性
ベルガモットの精油には、皮膚に塗ったまま日光に当たると、皮膚が強い日焼けを起こす「光毒性」という性質があり、その作用は他の柑橘系の精油の中でも強いです。ベルガモットを肌に使用した後5〜6時間は、日光に当たることは避けましょう。
※光毒性を持たないよう加工された精油も販売されており、「BGF」ベルガプテンフリー、または、「FCF」フロクマリンフリーなどという名前がついています。塗ってすぐ外出したい時は、こちらを使用しましょう。
濃度に注意
ベルガモットの精油は、高濃度で使用すると刺激が強く、肌がヒリヒリしたり赤くなったりすることもあります。入浴や沐浴、ベースオイルで希釈してトリートメントオイルとして使用する際も、入れ過ぎには注意しましょう。目安として、全体の1%以下の濃度になるようにします。
全ての精油に共通する注意点
精油は、希釈して使用することを前提に作られているので、そのままの原液を直接肌に付けないようにしましょう。(ラベンダーとティートゥリーは、少量であれば直接肌に付けることが可能です。)
また、目に入れたり、飲み込んだりしないことも大切です。もちろん小さな子供が触ったりしないようにくれぐれも注意してください。
いかがでしたでしょうか。アロマの性能を知ることで、より効果的に利用できますね。また、自分の心と身体と向き合うことにもつながっていきます。
自分らしい日々を過ごすために、ぜひ「ベルガモット」を日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。