食虫植物のエース「ハエトリソウ」を長く楽しむ育て方のコツ

食虫植物のエース「ハエトリソウ」を長く楽しむ育て方のコツ

名前の通り、虫をパクッと食べてしまう植物『ハエトリソウ』。耳で聞いただけでは「ちょっと…」と苦手意識を持ってしまう人もいるかもしれませんが、獲物を挟み込む動きが意外とおもしろいんです!今回はちょっと不思議な植物、ハエトリソウをご紹介します。

「ハエトリソウ」の基礎知識

ハエトリソウは、日本では『ハエトリグサ』とも呼ばれている食虫植物です。北アメリカのノース・カロライナ、サウス・カロライナに生息していて、足を踏み入れると地面から水が染み出てくるような浅めの湿地が大好き。

葉を開いたときに感覚毛という3本のトゲのようなものがあり、そこに2回触れると約0.5秒という速さで閉じてしまいます。この動きがなんともおもしろいんですよね。虫を捉えると数日かけて養分を摂取し、また葉が開きます。

ついついおもしろがって感覚毛を触ってしまいたくなりますが、実はハエトリソウにとっては大変なことなんです。葉っぱの開閉にはたくさんのエネルギーが必要なので、1対になっている葉は2〜3回ほど開閉運動をすると枯れてしまいます。そのため、むやみやたらに葉を刺激していると早く枯れてしまったり、最悪の場合は株の元気がなくなってそのまま枯れてしまいます。触り過ぎには注意しましょう。

食虫植物のエース「ハエトリソウ」を長く楽しむ育て方のコツ

長く楽しむ育て方のコツ〜水やり〜

ハエトリソウを長く楽しむためには、水やりにポイントがあります。さっそくお話していきますね。

お水が大好き!水切れ厳禁

ハエトリソウは湿地に自生している植物なので、水切れは厳禁。普通の観葉植物並みの水やりではすぐに水切れをしてしまうので注意が必要です。とにかく土は常に湿った状態がベスト。そのため、鉢の下に受け皿を敷き、1〜2cmの水を張っておきましょう。鉢の底から常に水を吸い上げることができるように用意することで、ハエトリソウが育ちやすい環境を作ることができますよ。受け皿のお水が減ったら足してあげてください。

冬でもお水はしっかりと

冬の時期、ハエトリソウはお休みの期間なので、春先ほど水を吸い上げる力はありません。そういった意味では土も乾きにくくなりますが、この時期は湿度が低いため、いつの間にか土が乾燥していることもあります。土の湿り気には常に気を配っておきましょう。空気の乾燥も苦手なので、できれば加湿器を付けてあげると良いでしょう。

ときどきたっぷりのお水をあげる

受け皿に水を張った状態が基本なのですが、ハエトリソウは空気も好き。ときどき鉢の下から出てくるくらい、たっぷりの水を上から与えてください。こうすることで中に溜まった老廃物を洗い流すことができ、新鮮な空気を土に入れることができます。お水を上から与える際には葉にかからないようにし、株元からそっと優しく流し入れてください。

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長く楽しむ育て方のコツ〜植え替え〜

植え替えもハエトリソウを長く楽しむためには欠かせません。どういったところに気を付ければ良いのかご紹介します。

植え替えは1月〜2月に行う

1月〜2月はハエトリソウにとってお休み期間であり、生長が止まる時期です。体を休めているときに植え替えを行いましょう。休眠前である真夏や秋ごろは避けることをおすすめします。

用土の代わりに水苔を使う

ホームセンターなどで売られているハエトリソウは、保水性の高いピートモス(用土)が使われていることが多いですが、受け皿に水を溜め長く使用していると、用土の内側が腐り始めて根を傷つけ、枯れる原因になることがあります。植え替えのタイミングで水苔に変えることで、さらに元気に生長しますよ。ほかにも通気性が良く保水性が高い鹿沼土やパーライトなどもおすすめです。

1〜2年に1回は植え替えをする

水苔は常に湿った状態で使い続けると痛みやすくなり、腐ってしまうこともあります。この状態では生育上良くないため、1〜2年に1回は植え替えを行いましょう。

植え替えの手順

1.鉢から株をゆっくりと取り出し、土の1/3を優しく落とします。水苔の場合も丁寧に取り除き、根の間に入ったものもピンセットなどで取り除きます。
2.植え替え用のポットに軽石を1/4ほどの高さまで敷き詰めます。
3.水を吸わせた水苔で根の周りを包みます。ハエトリソウの根は折れやすくもろいので気を付けて作業をしましょう。
4.ポットに優しく入れて隙間を指で詰めます。水苔が足りなかったら足していき、隙間を埋めてください。
5.最後に株元からたっぷりの水をあげましょう。4〜5秒ほどで鉢の下から水が出てきたら完了です。これより早く水が出たときは空洞が開いている証拠。水苔をさらに足してあげます。逆に水が抜けきらず溜まってしまう場合には、水苔の詰め過ぎが原因です。少し減らしてあげて調節しましょう。

食虫植物のエース「ハエトリソウ」を長く楽しむ育て方のコツ

夏場は要注意!

ハエトリソウは日光が大好きなので、直接太陽の光に当てても大丈夫。ただし夏場は気を付けておきたいポイントがあるんです。

夏はレースカーテン越しが〇

日差しが強すぎるのでレースカーテン越しのやわらかな光がベストです。

受け皿の水に要注意

夏は水が腐りやすいので、受け皿の水は2〜3日に1回は取り換えると良いでしょう。あと、水が温かくなっていないかもチェックしてください。水がお湯になっていると茹で枯れてしまうので注意が必要です。

ハエトリソウについてご紹介しましたが、いかがでしたか?水やりや植え替えをしっかりと行うことで長く付き合うことができますよ。

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