バジルは独特の風味があり、魚料理や肉料理、パスタなどいろいろな料理に使えます。美容にも健康にもいいハーブなので女性にも人気があります。育てるのも比較的簡単なので自宅で栽培する方も増えています。栽培のための準備や上手な育て方についてご説明します。
バジルを育てるための準備
バジルは地植えもできますし、プランターで育てることもできます。プランターで育てる場合は、プランターと土を用意します。深さ15cm以上で長さが60cm程度のものが適当です。用土に使用するのは小粒の赤玉土と腐葉土、苦土石灰、肥料です。小粒の赤玉土と腐葉土は7：3の割合で混ぜます。苦土石灰の量は大さじ1杯程度です。苦土石灰は土を弱アルカリ性に変えるためのものです。日本の土は酸性なのでハーブには合いません。それで、必ず苦土石灰を入れるようにしましょう。
また、あれば、バーミキュライトも混ぜることもできます。バーミキュライトは蛭石（ひるいし）を高熱処理したもので、これを混ぜると、肥料のもちや水持ちがよくなり、水はけもよくなります。バーミキュライトがない場合は100円均一のお店でも売っているココピートを使うこともできます。ココピートはココナッツの外殻を加工したものです。
土の準備ができたら、プランターの底に底石を敷きます。それから、土をプランターの8割程度入れます。土の表面に5mmほどの深さの溝を作って、1cm間隔で種をまいていきます。まき終わったら軽く土で覆ってから水を十分与えます。発芽するまで小まめに水やりをして、土が乾かないようにしましょう。バジルは20度以上で発芽するので、種まきの時期は関東なら4月中旬～6月中旬です。
苗を育ててからプランターに植え替える場合は、育苗ポットに土を9割程度入れてから2cm程度の間隔をあけてくぼみを作り、くぼみに種を入れて土で軽く覆います。それからポットを鉢皿に置いて鉢皿に水を入れ下から水を供給します。発芽したら、間引きをして本葉が10枚程度になったらプランターに植え替えます。
庭に苗を植える場合は、植えつけの2週間前に土に苦土石灰を混ぜて耕しておきます。さらに1週間してから、畝の中央に20cmの深さの溝を掘って、肥料を入れます。それから土を戻して、高さ10cmの畝を作り1週間後に30cm間隔で穴をあけてそこに水を注ぎます。水が引いた後にバジルの苗を植え、根元を抑えてからさらに水をあげます。
上手な育て方
バジルは、比較的丈夫なハーブで、日当たりがよければ室内でも育てることができます。種まきから10日程度で発芽するので、発芽したら、間引きして3cm間隔になるようにします。葉に艶のあるものや茎の状態がいいものを残しておきましょう。種まきから3週間弱で本葉2枚になるので、間引きして5～6cm間隔になるようにし追肥します。さらに2週間してから15～20cm間隔になるようにして、もう一度追肥します。
元気に育てるためのお手入れ
バジルは乾燥に弱いので、こまめに水やりをする必要があります。土の表面が乾いたら水をあげるようにしてください。地植えなら水やりは不要ですが、乾燥した日が続く場合は、水をあげてください。肥料も必要とするので、プランターで育てる場合は、1週間に1回液体肥料をあげてください。肥料が不足すると葉が黄色くなって枯れてしまいます。
また、バジルにアブラムシがつくことがあるので、ガムテープなどを使って取り除くようにします。また、天然成分で作られた安全な殺虫剤を使用することもできます。そのままにしておくとアブラムシに栄養を吸い取られてしまうので、こまめにチェックするようにしましょう。
バジルはもともとは多年草なのですが、寒さに弱いため日本では一年草として育てられています。ただ、室温を5～10度以上に保てば、冬を越すことも可能です。バジルは種まきも簡単なので毎年まきなおすほうが手間はかかりませんが、冬越しにチャレンジしてみたいという方は試してみてください。
収穫の時期と方法
バジルに葉が10枚ほど付いたら収穫を始めますが、摘芯（摘心）と言って、下のほうの4枚だけ残して茎から切り取るようにします。カットした後は、そこから2本に分かれて枝が出てくるのでさらには葉数が増えます。摘芯をしないと葉の茂りがよくなりませんし、丈が高くなってしまうので、必ず摘芯を行うようにしましょう。また、葉が重なっている部分があると通気性が悪くなり、葉も痛むので葉が込み合いすぎないように収穫していきます。摘芯を繰り返しながら10月まで収穫できます。
収穫したバジルをすぐに使わない場合は、適当な大きさの入れ物に水を入れて挿しておきます。その時、水を吸い上げやすいように茎の先を切ってから挿すといいです。毎日水を交換すれば1週間程度持ちます。もう少し長く保存したい時には、洗わずに保存容器にふんわりと入れて冷凍保存します。洗ってから冷凍する時には、水分をしっかり切ってから入れるようにしましょう。
