ヨーロッパが原産のペパーミントは、スペアミントとウォーターミントの交雑種であり、スペアミントより歴史は新しいミントですが、1700年の後半にイギリスで大量に栽培され、広く知られるようになりました。メントールの成分が含まれることから、刺激が強く様々な用途に使われています。そこで今回はペパーミントの効用や、栽培しやすいハーブであるペパーミントの栽培の仕方についてご紹介します。
「ペパーミント」の特徴
シソ科であるペパーミントは、メントールの爽やかな香りが特徴です。ヨーロッパでは食欲増進や料理に使われるほか、薬としても利用されてきました。多くの品種がありますが、スペアミントとウォーターミントの交配から生まれたペパーミントは、ミントといえばスペアミントかペパーミントのどちらかを指すなど広く知られています。
スペアミントが比較的刺激が少なく、香りや甘みが感じられるミントであることに対し、ペパーミントはメントールを多く含むため、刺激が強く、それによる効能も強いのが特徴といえます。
ペパーミントの効能と様々な使い方
ペパーミントには様々な効能があります。その清涼な効果によって、健康への効果だけでなく食用としても広く利用されています。
1.リラックスの効果
神経系にメントールが作用することで、気分をリフレッシュさせ、緊張をやわらげる効果があります。頭をすっきりさせるので、眠気覚ましや集中力を回復させます。
2.胃腸を回復する効果
精油に含まれているメントンは胆汁の分泌を促し、消化を助けるため消化器官の働きを回復させる効果があります。さらにメントールがお腹の緊張をやわらげてくれるので、胃もたれを解消します。
3.アレルギー症状の緩和
ペパーミントにはアレルギーを起こす原因となるヒスタミンの発生を抑える効果があります。さらに炎症を抑える効果もあるため、アレルギー症状の緩和にも働きます。
4.美肌の効果
ペパーミントには、肌の水分量と皮脂のバランスを調節する働きがあり、肌の調子を整えます。また殺菌効果や消毒の作用もあるので、ニキビを防ぎ、新陳代謝を正常化する効果があります。
5.痛みの解消効果
炎症を抑え、冷却の効果もあるため、頭痛や生理痛の改善に効果があります。さらに風邪の時の喉の炎症や咳の軽減にも効果があります。
6.口臭予防
歯磨きにも使われることの多いペパーミントには殺菌効果があり、口臭の予防に効果があります。
またこの香りには忌避効果があり、害虫対策にも役立ちます。
ペパーミントの使い方
入浴剤として
生の葉をそのまま浴槽に入れて使います。冷却の効果もあるので、夏の暑い日に使いましょう。
料理の香り付けやお茶として
ペパーミントの葉を使い、料理の香辛料に使うほか、お湯を入れてハーブティーとして楽しむことができます。肉料理など香り付けする場合には乾燥させた葉の方がおすすめです。
ペパーミントには母乳を抑制する効能があるため、妊娠中や授乳中の女性は使用を控えましょう。
様々な効能のあるペパーミントティーの美味しい入れ方
ペパーミントの葉には様々な効能があり、精油も葉を使って作られますが、フレッシュなペパーミントの葉を使うことで、その栄養を体に取り込むことができます。リフレッシュや食べ過ぎの解消、車の酔い止めなど色々な場面で使えますので、ぜひ美味しい入れ方を知っておきましょう。
ペパーミントティーで必要な道具
・生のペパーミントの葉 洗って半分にちぎり、スプーンに軽く3杯分
・ティーポットや急須
・お湯 1杯分 約180cc
・茶こし
ペパーミントティーの入れ方
1.お湯を沸かし、ティーポット、もしくは急須・カップにあらかじめお湯を入れ温めておく
2.ティーポットのお湯を捨て、ペパーミントの葉を入れる
3.沸騰したお湯をティーポットに入れ、蓋をしてから3分ほど蒸らす
4.ティーポットを軽く回し、混ぜる
5.ティーカップに注ぐ
ペパーミントティーは一度でその成分がお湯に溶け出しますので、飲んでみて味の調整をしましょう。濃い場合は葉を減らすほか、蜂蜜を混ぜると飲みやすくなります。アイスティーにする場合は濃く煮出し、氷をたくさん入れたグラスに注ぎます。
またペパーミントティーの蒸気を鼻や喉から吸い込むことで、鼻づまりや喉の炎症を解消することができるので、風邪を引いた時などにぜひ作ってみましょう。
ペパーミントの育て方
ペパーミントは繁殖力が強く、初心者でも育てやすいハーブです。ただし他のミントと一緒に育ててしまうと、交雑してしまい、せっかくのペパーミントの効果が低下してしまいます。また繁殖力の強いペパーミントですが、アップルミントには負けてしまいますので一緒に植えないように注意しましょう。
ペパーミントを植える場所
直射日光や乾燥に弱いため、半日陰になる場所に植えるのがおすすめです。ただし繁殖力が強く、他の植物を駆逐して増殖してしまいますので、プランターや鉢で栽培する方がいいでしょう。
ペパーミントを植える時期
ペパーミントは春から夏にかけてが旬となるため、春か秋に植えます。冬は成長しませんので、最初のうちは春に苗を植えるといいでしょう。
水やりと肥料
土が極端に乾かなければ、それほど水やりは必要ありません。ただし気温が上がる夏には1日2回は水やりをしましょう。肥料は苗が伸びる春から夏にかけて、2ヶ月に1回程度与えれば十分です。
増えてきたら株分けをする
葉が重なったり、根が詰まると根腐れや虫が発生する原因となります。重なった葉は取り除き、株を分けましょう。増やさない場合は株を取り除き、庭などに放置しないよう処分します。
ペパーミントを植えているだけでは、虫除けの効果はあまりありません。虫除けスプレーなどを作る場合は、ペパーミントの精油を使うようにしましょう。