南国の花としておなじみのハイビスカス。その花からハイビスカスティーは作られると思われている方が多いのですが、実はローゼルというハイビスカスの近縁の種が原料となっているのです。様々な効能のあるハイビスカスティーについて、詳しくご紹介します。
「ハイビスカス」とは?
ハワイや沖縄などで有名なハイビスカス。こちらのハイビスカスは観賞目的で栽培されており、ティーに使用されているハイビスカスは、ローゼル種のものとなっています。花は白やクリーム色で、花弁のもとは赤みを帯びた紫色をしています。花が枯れた後に真っ赤な実ができ、この実の外皮部分を剥がし、乾燥させたものがお茶やジャムに加工されるのです。
ハイビスカスティーは赤い色と酸味が特徴ですが、これはローゼルに含まれるポリフェノールのひとつ、アントシアニンという色素によるものです。さらにその酸味はクエン酸やリンゴ酸、ビタミンCによるもの。ほかにもミネラルのひとつ、カリウムも豊富にふくまれています。世界三大美女と呼ばれたクレオパトラの美しさを支えていたとも言われ、豊富な栄養が含まれているのです。
ハイビスカスティーの効能
クレオパトラが愛飲していたと言われるハイビスカスティーには、どのような効能があるのか、詳しく見ていきましょう。
肌荒れの改善、免疫力アップ
ハイビスカスティーの酸味のもとでもあるビタミンCは、皮膚や粘膜を保護し、メラニン色素を抑制する働きがあります。体の内側から美しい肌を作ってくれるだけでなく、体の免疫力をあげ、風邪などから体を守ってくれます。
疲労回復効果
ハイビスカスの酸味のもとはビタミンCだけでなく、クエン酸によるもの。クエン酸は、疲労やストレスで体にたまる乳酸を分解する作用があります。乳酸は筋肉痛などをもたらす疲労物質で、疲れたときにレモンや梅干しなどを食べると疲れが取れるのはクエン酸の効果です。
血流の改善
クエン酸には血行を改善し、新陳代謝を促進する効果があります。冷え性の改善や生理痛を予防する効果もあります。
むくみの改善
ハイビスカスに含まれるミネラルのひとつ、カリウムには体内の塩分を排出し、利尿効果があります。体にたまった水分のバランスを取る働きもあり、これによってむくみが改善されます。
目の疲れの改善
ハイビスカスの赤は、ポリフェノールのひとつ、アントシアニンという成分からできています。アントシアニンはブルーベリーやワインに含まれる色素成分で、眼精疲労を回復してくれます。
生活習慣病の予防と改善
アントシアニンには抗酸化作用があり、血圧の上昇を抑え、動脈硬化の予防などの効能があります。このほか血流の改善効果もあり、冷え性や肩こりに効果があります。
ハイビスカスティーの上手な入れ方
ハイビスカスティーには、花が咲いた後の大きくなったがくの部分を使います。ただし薬用として栽培されているハイビスカスは直接手に入れることは難しいかもしれません。その場合は乾燥させたものを用意して、ハイビスカスティーを楽しみましょう。
茶葉を用意する
ローゼルのがくの部分を乾燥させたそのままのもの、また粉末にしたものとでは抽出時間が違うので、事前に確認しておきましょう。
温めたポットに茶葉を入れ蒸らす
ハイビスカスティーはほかのハーブと比べ、抽出時間が長めです。粉末であれば5分ほど、大きなものであれば8分から10分ほど蒸らしましょう。入れるときにはしっかり沸騰させたお湯を使います。
アイスティーにするときには濃いめに
アイスティーとして飲むときには、お湯の量を半分程度にして、同じように蒸らします。グラスに氷をしっかり入れ、温かいまま注げばちょうど良い濃さになります。
ハイビスカスティーの楽しみ方
ハイビスカスティーは独特の酸味があり、飲み慣れていない人には飲みにくいと感じるかもしれません。いくつか楽しみ方をご紹介しましょう。
ブレンドティーとして楽しむ
ペパーミントやレモングラス、ローズヒップなどのハーブとブレンドすると、ハイビスカスティーの効能が引き出され、飲みやすくもなりますのでおすすめです。
はちみつを入れる
はちみつや砂糖で甘味をくわえると、飲みやすくなります。アイスで飲むときはカルピスの原液で割るのもおすすめです。
好きなジュースで割る
オレンジジュースやジンジャーエールなどを入れたグラスに、アイスのハイビスカスティーを注ぐと、二層になり見た目にも楽しいハイビスカスのジュースができます。
夏の疲労回復にハイビスカスソーダ
ハイビスカスティーを入れ、氷を入れたグラスにスパークリングウォーターを一緒に入れます。ミントの葉を入れて香り付けすれば出来上がりです。
ハイビスカスゼリー
ハイビスカスティーを作り、ゼラチンを混ぜます。グラニュー糖とレモンを混ぜて冷やせば、デザートが出来上がりです。チェリー酒など洋酒を少し混ぜるのもおすすめです。
ハイビスカスクッキー
ハイビスカスティーを入れた後の茶殻を乾かし、クッキー生地に練り込みます。酸味が出るので、レーズンなど甘いものと混ぜるのもおすすめです。
このほかフルーツと茶葉がセットになったティーを飲んだ後、そのまま食べられるスイーツハーブティーもあります。ローゼル種のハイビスカスは、ジャムなどにも加工されるため、食べることができるハーブなのです。インターネットなどで購入できるため、ぜひこちらもお試しになってくださいね。