ある作用がハーブの中でNo.1の「タイム」、その効能と育て方

ある作用がハーブの中でNo.1の「タイム」、その効能と育て方
肉や魚料理などの風味付けや臭み消しなどに使用されることの多いハーブ「タイム」。スッキリとした爽やかな香りは清潔感があり、香りづけのスパイスとして人気があります。この「タイム」には、他にもすごい効能があることをご存知でしたか?古くから様々な用途で利用されてきたタイム、自宅での育て方や日常の様々な利用方法もご紹介いたします。

「タイム」ってどんなハーブ?

植物の分類としてはシソ科の植物にあたり、原産は主にヨーロッパ、地中海沿岸が広く知られています。メディカルハーブ利用されている「コモンタイム」は、高さ15~40cm程度に成長し小さな花を咲かせます。和名では「タチジャコウソウ」と呼ばれており、一般的なハーブとして園芸店でも手に入りやすい品種です。

調理用として市販されているものは枝葉を乾燥させたり粉末状にしたものが多く、肉や魚料理の香りづけに使われます。シャープでピリッとした香りは清潔感があり、脂っこい食材を使った料理に爽やかさを加えてくれます。

また古代エジプトではミイラの防腐剤・保存剤として使用していた記録があります。中世のヨーロッパではペストが蔓延した際に入浴剤として使用していたと伝えられるなど、世界的にも大変歴史のあるハーブです。

ある作用がハーブの中でNo.1の「タイム」、その効能と育て方

タイムの優れた効能

抗菌・殺菌

タイムの「チモール」と「オイゲノール」という成分には、強い殺菌作用と抗ウイルス作用があります。これはハーブの中でもNo.1と言われるほどの効果で、ウイルスによる風邪やインフルエンザなどの予防にも効果があるとされています。マウスウォッシュとしての効果もあり、ピロリ菌対策や水虫の殺菌にもつながると言われています。

去痰

タイムのスッキリとした香りと「サポニン」という成分により、去痰作用があるとされ呼吸器系の不調にも効果があります。気管支炎や長引く咳などに対して、「チモール」の抗菌作用との相乗効果で症状を鎮めてくれます。

胃腸の炎症予防、消化促進

タイムには胃腸の炎症を予防する効果もあり、積極的に調理に取り入れたいハーブです。肉や魚料理に使用すると、香りづけ・臭み消しとしてもはたらくので一石二鳥ですね。抗菌作用があるため、手作りソーセージなどを作る際にもスパイスとして混ぜて使用するのがおすすめです。

精神安定

爽やかな香りと味で、喉や肺をすっきりさせるため気分をリフレッシュするのに役立ちます。心身の疲労に対しても穏やかに作用し、自律神経の乱れを整えます。温かいハーブティーとして摂取すれば冷えの解消にもつながるでしょう。

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タイムの育て方

タイムは日当たりが良く、風通しの良いやや乾燥した場所を好みます。湿度の高いところには弱いので、水はけの良い土に植えるようにし、梅雨の時期は特に蒸れて枯れやすいので注意が必要です。特に肥料は必要なく、土の表面が完全に乾いたら水をやる程度で、水切れに強いので比較的丈夫な部類のハーブと言われています。冬はやや成長が遅くなるので、さらに水やりを控えても大丈夫です。梅雨時期など葉が増えて蒸れてしまいそうなときには、剪定して葉の量を調節するとよいでしょう。虫除けにもなる香りを持っているので、害虫なども特に心配ありません。

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タイムを生活に取り入れよう!

タイムが育ったら、効能いっぱいのタイムを日常生活に取り入れてみましょう。使用する際、枝葉に花が咲く前に摘み取っておくと、香りが強い状態で楽しむことができますよ。

タイムティー

あらかじめポットとカップを温めておきます。洗ったタイムの枝をポットに入れます。カップ1杯につき5cmほどにカットしたタイムの枝3本ほどが目安です。ポットに熱湯を注ぎ、3分ほど待ったらできあがり。乾燥タイプのタイムであれば小さじ1杯程度が目安です。気分をリフレッシュしたい時やリラックスしたい時におすすめですよ。やや辛いと感じたら、カモミールなど他のハーブや紅茶とミックスしたり、濃さを調整するなどして自分好みの味を見つけてください。

グリル料理

フランス料理でよく使用されるタイム。もちろん魚にも肉にも合うハーブですので積極的に使用してみましょう。ただし調理の際に焦げ付きやすいので注意が必要です。心配であれば、フライパンにオリーブオイルを入れて傾け、そこにタイムを入れてじっくり香りを出すと良いですよ。こうするとほどよくオイルに香りがつき、タイムもカラッとした素揚げの状態になり、調理の最後にトッピングとして美しくお皿に盛ることができます。

ブーケガルニ

煮込み料理をする際に複数のハーブを束ねて香りづけ・臭み消しに利用します。タイムのほか、パセリ、ローリエ、オレガノ、バジルなどを使用するのが一般的です。タイムはやや香りが強いので、他のハーブとのバランスをみて調整すると良いようです。生の葉を使う場合はタコ糸などでぐるぐる巻きにしてポンと入れるだけ。風味が出たら香りが強く出過ぎないうちに取り出します。乾燥タイプを使用する時には直接入れずに、だしパックなどに入れて中から出ないようにする工夫が必要です。

タイムハニー

抗菌作用のある蜂蜜として「マヌカハニー」が有名ですが、タイムを蜂蜜に漬け込んでその成分を移して利用するという方法もあります。熱湯消毒した清潔なビンに、水気をよく拭き取ったタイムの葉をかるく1杯分入れます。そこにはちみつを注ぎ、タイムの葉が浸かるように馴染ませます。喉の調子が悪い時や風邪予防にぴったりで、そのまま舐めても紅茶などに入れても利用しやすいですよ。

マウスウォッシュ

口臭が気になるときは、濃いめに入れたタイムのハーブティーで口をゆすぐだけ。口の中がスッキリとしてリフレッシュ効果もあります。もちろん抗菌作用がありますので、喉の痛みや感染症予防にも効果が期待できます。

入浴剤

マウスウォッシュと同様に、殺菌力の高さを期待してお風呂に入れるのも良いでしょう。ニキビや水虫の予防、肌の清浄にも役立ちそうです。

シューキーパー

乾燥したタイムをハンカチなどの布にくるんで、たくさん歩いた日の靴の中に入れておけば、湿気を吸ってくれるだけでなく爽やかな香りで防臭効果も。玄関や靴箱の嫌な臭いも、一緒に清浄してくれるので助かります。

爽やかな香りを楽しむだけでなく、殺菌・抗菌作用がハーブの中でも高いとされる「タイム」。積極的に生活の中に取り入れることで、心身もすっきり健康に過ごすことができそうですね。自宅で栽培すると、様々な用途に使うことができ便利です。乾燥に強く育てやすいハーブと言われていますのでぜひ挑戦してみてください。ただ、タイムは子宮の収縮を促進させる作用もあるとされていますので妊娠中の方は注意が必要です。

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