紫陽花は梅雨の季節を彩る花の一つです。品種改良が盛んに行われていることから、バリエーションが豊富でカラーも青や紫や白など様々なものがあります。今回は、そんな紫陽花に注目して特徴や育て方についてまとめました。特に重要な水やりについても説明しているので、これから栽培を考えているという方は是非参考にしてみて下さい。
どんなお花?
紫陽花は、アジサイ科アジサイ属に分類される落葉低木です。その花には装飾花と両性花の2種類があり、一般的に紫陽花の花と認識されている部分が装飾花にあたります。しかし、この部分は実際にはガクであり結実することはありません。実際の花は装飾花で囲まれた中央部分にこぢんまりと存在しており、退化した雄しべと雌しべを持ちます。これらが群れ集まることで、紫陽花は構成されているのです。
その咲き方も色々なものがあり、手まり咲きは手まりのように丸く咲くことから名づけられました。その他、華やかな装飾花が本当の花を縁取るようにして咲く萼咲きや花房全体が円錐状になったコーン型などがあります。
紫陽花の花の色については、一般的に土壌の酸性度によって決まるとされています。酸性なら青系統、アルカリ性なら赤系統といった具合です。また、土壌の性質に関わらず時間の経過と共に花の色は自然と変化していきます。開花時期については、日本では梅雨に該当する6月から7月が最盛期となります。
紫陽花の植付時期
紫陽花の植付時期は、気候の良い季節であればいつでも問題ありません。ただし、真冬や真夏など植物にとって過酷な時期は避けるようにして下さい。一般的には、花の盛りを過ぎた7月の終わり頃が植付時期として推奨されています。
紫陽花は、庭植えの他に鉢植えでも育てることができますが、根が回りやすいためすぐに窮屈になる可能性があります。のびのびと育てたいのであれば、地植えの方がおすすめです。
植付時に使用する土は、ホームセンターで販売されている花や野菜用の土で構いません。自作するのであれば、赤玉土6に対して4の腐葉土を混ぜます。
また、希望の色味があれば肥料を使って調整します。あらかじめ特定の色になるように肥料が配合された紫陽花の専用土もあるので、自分で調整するのが難しい方はこういった便利な商品を利用して下さい。直射日光で葉や花が焼けることがあるため、植付場所としては半日陰が最適です。
紫陽花の育て方
花の盛りが完全に過ぎた8月から10月にかけて、翌年に開花する花芽が伸びてきます。これをスムーズ伸ばすためには、7月中の切り戻し作業が必要になります。この作業で切るのは、花から2節分です。花と茎と葉の1セットで1節となり、その下の茎と葉と茎のまとまりが2節となります。つまり、2節分を切るとは上から3番目の葉のすぐ上の部分を剪定することを意味します。
かなりの部分を切ることになりますが、そうした方が花芽の伸びが良くなるので躊躇せずに切り落として下さい。8月以降に切り戻しをしてしまうと、花芽まで切り落としてしまって翌年の花つきが悪くなるため注意が必要です。
肥料については、鉢植えの場合は春から秋まで与え続けます。固形肥料を月に1度与えた上で週に1度のペースで液体肥料を与えるようにすると十分な栄養が行き渡ります。地植えの場合は、春先に1度与えておけば十分です。また、より美しい花を咲かせたいのであれば花が終わった7月末から8月にかけて追肥を行います。これらの一連の流れに加えて、毎日の水やりが重要になってきます。
水やりに関する注意点
紫陽花は、乾燥にとても弱い花です。そのため、水やりには細心の注意を払わなければなりません。紫陽花の育て方の中で最もデリケートなのがこの水やりの項目です。地植えであれば植付直後から数日は乾燥しないように毎日水やりをする必要がありますが、その後は梅雨の雨に任せておけば心配いりません。
問題なのは、鉢植えで育てる場合です。地植えに比べて土がすぐに乾燥してしまうため、こまめに水やりをする必要があります。
目安として、表面の土が乾いたらその都度水やりをするように心がけます。置く場所の空気の乾燥具合によっても土が乾くスピードが変わってくるため、いくら水やりをしても土が潤わない場合は日陰など水分が蒸発しにくい所に移します。地植えであっても、葉が萎びているようであれば多めに水やりをして下さい。
大事なのは、紫陽花のコンディションを日々チェックするということです。空梅雨であまり雨が降らない時などは、特に配慮が必要です。晴れが続いて空気が乾燥している時には、紫陽花の葉や花をじっくり見て水が不足していないかどうか確認した上で根元にたっぷりと水を与えます。
綺麗な紫陽花を咲かせるために
紫陽花の育て方で、特に気をつけなければならないのは水やりの作業です。乾燥させてしまっては折角の綺麗な花が台無しになってしまうので、葉の張りやツヤを確認しながら水やりをして下さい。鉢植えの場合は、土の乾き具合も水やりの判断材料となります。また、季節ごとに行う切り戻しや肥料やりも紫陽花を美しく咲かせるために欠かせない作業です。