ハッカの仲間であるスペアミントは、ハーブの中でも歴史が古く、また丈夫なことから育てやすいハーブでもあります。穏やかな香りで様々な効能を持つスペアミントの効能やその活用方法について詳しくご紹介します。
「スペアミント」とは？
スペアミントは中央ヨーロッパが原産で、葉の先がとがって槍のように見えることから「スペア」の名がついたミントです。ミントはその香りから料理や飲み物などに使われてきたハーブですが、古代ギリシャの時代から使われてきた、古い歴史のあるハーブです。
ミントには1000種を超える種類がありますが、一般的に欧米で料理に使われるミントはこのスペアミントのことをいいます。薄い葉の色が特徴で、含まれる成分にメントールが含まれないことから刺激が少なく、香りが柔らかいことから、作用も穏やかで様々な用途に使われています。
スペアミントの効能と使用用途
スペアミントはその清涼感のある香りと味で、料理や飲み物だけでなく、幅広く利用されており、その効能も様々です。
効能
心を落ち着かせる
頭をすっきりさせる香りで、思考をクリアにする効果があります。さらに高ぶった気持ちを冷静にして落ち着かせ、気持ちを切り替えるリフレッシュの効能もあります。集中力を高めてくれる効能もあり、瞑想に使われます。
消化器官の働きを改善する
胃腸の不調を改善し、便秘や下痢を緩和する働きがあります。食欲不振を解消し、夏バテの改善にも役立ちます。
鎮静や冷却の効能
頭痛や生理痛などの痛みの緩和、冷却作用により発熱を解消するほか、口内炎などの炎症を鎮め、口の中をすっきりさせます。また虫刺されや肌の皮脂バランスを整え、毛穴を引き締める効果もあります。
虫除けの効果
精油に虫の忌避作用があるため、虫除けに植えると効果的です。
このほか、二日酔いや乗り物酔いの緩和にも効果がありますが、香りが合わない場合もあるので、症状が悪化しないよう注意が必要です。
これらのスペアミントの効能を生かすために、スペアミントの様々な使い方をご紹介します。
スペアミントの様々な用途
料理・お菓子
料理の香りづけ、お菓子にも使うことができます。
ミントティー
生の葉、もしくは少し乾燥させた葉にお湯を注いで作ります。リフレッシュ効果のほか、口をさっぱりさせ、腹痛や頭痛などの緩和にも役立ちます。
ミントウォーター
水にスペアミントを浮かべます。葉の香りと風味で爽やかな水になります。
入浴剤
生の葉や乾燥させた葉をお茶のパックに入れ、浴槽に浮かべます。もしくはミントティーを濃いめに入れ、そのまま浴槽に入れて混ぜる方法もあります。肌がさっぱりし、汗を抑える効果があるほか、香りでリフレッシュできます。
消毒薬
ミントティーを作り、アルコールと半分ずつ容器に入れて混ぜることで、消毒薬として使うことができます。キッチンやトイレなど、臭いの気になる場所に使いましょう。
虫除け
スペアミントを庭に植えることで虫除けになりますが、植木などにも殺虫剤代わりに使えます。濃いめに作ったミントティーを冷まし、水やりと同じように植物にかけます。
肌につけても問題はありませんが、子宮の収縮作用がありますので、妊婦の方は使用しないようにしましょう。また肌が弱い方は、事前にパッチテストをしてから使用するようにしましょう。
スペアミントの育て方
スペアミントは繁殖力が強く、冬の寒さにも比較的強いことから、初心者にもおすすめのハーブです。ただしきちんと管理しないと他の植物を枯らせてはびこってしまいますので、注意が必要です。
スペアミントを植える際の基本
日当たり
風通しがよく、日なたかもしくは半日陰の場所。水はけのいい場所。暑さには比較的強い植物ですが、真夏の日差しでは弱ってしまいます。冬も15度以上が望ましいですが、多少の寒さなら耐えられます。
水やり、肥料
土が乾かない程度の水やりをしましょう。あまり水を与えすぎるとかえって根腐れを起こして弱ってしまいます。肥料はほとんど必要ありませんが、春から秋の間に追肥するのがおすすめです。
育てる時期
種や苗から植える方法がありますが、基本的には春、4月から6月の間に植えます。生育の時期は春から秋にかけてになります。ただし日差しが強くなる夏には植えないようにします。
ミントにはいくつもの種類がありますが、他の種類のミントと同じ場所に植えてしまうと交雑してしまいます。交雑すると香りが変化したり弱くなることもあるので、同じ種類のミントを植えるようにし、他のミントの種類を植えるときには場所を変えるようにしましょう。
スペアミントの様々な栽培の仕方
スペアミントは繁殖力が強いため、土植えにするとあっという間に増えてしまいます。マンションなどで育てる場合には、プランターで育てると増やす際にも容易にできます。ただし夏の暑さや冬の寒さには十分に注意し、日差しが当たるようにしながら温度管理にも気をつけることが必要です。
また比較的繁殖力が強いスペアミントは、水耕栽培で育てることも可能です。また節で切ってコップに入れておくとすぐ根が出てきます。温度管理に気をつければ、室内でスペアミントを増やすこともできます。
スペアミントの栽培時の注意
それほど小まめな世話をしなくてもスペアミントは育ちますが、ハダニやアブラムシの被害に遭うことがあります。すぐに伸びますので、虫がついた葉や茎はすぐに切り落として処分しても問題ありません。
さらにスペアミントは繁殖するためにランナーと呼ばれる茎を伸ばし、新しい場所を探して株を増やします。放置しておくと見た目が悪いだけでなく、庭中がスペアミントだらけにもなってしまいますので、小まめに刈り取るなどしておきましょう。地面に置いておくとまたそこから伸びますので、きちんと処分することも必要です。
