食虫植物のミステリアスな姿を楽しむ!主な種類とそれぞれの育て方

食虫植物のミステリアスな姿を楽しむ!主な種類とそれぞれの育て方

虫を捕えて食べてしまう不思議な食虫植物。植物ながら動物的なその働きと姿はとてもミステリアスです。食虫植物を育ててみたいという方のために、育て方のポイントや様々な種類をご紹介します。

「食虫植物」とは?

食虫植物はその字の通り、虫を食べる植物ですがその働きには驚かされます。虫をワナにかけて誘いだし、捕えるとその虫を栄養分に変えることで生長していくという、植物とは思えない方法を使います。

食虫植物は湿原や湿った高野などに多く生えています。そのため水分や日光については不足ありませんが、土の中に栄養が少ないため虫を捕えて栄養補給をしていると言われています。

食虫植物のミステリアスな姿を楽しむ!主な種類とそれぞれの育て方

虫の捕らえ方は3種類

食虫植物は一体どのような方法で虫を捕えるのでしょうか。その方法は主に3種類あります。

わな式

葉の中に虫が落ちると葉を閉じて吸い込んでしまいます。虫が動くことで葉が反応するので、逃げるすきを与えません。ハエトリグサやタヌキモなどがこのタイプです。

落とし穴式

袋や筒状になった器があり、その中に虫が落ちるしくみになっています。落ちたら最後、消化液で虫は溶かされ食虫植物の養分として生まれ変わります。ウツボカズラやフクロユキノシタ、ヘリアンフォラ、ダーリングトニアなどに見られます。

とりもち式

葉にネバネバとした液を出す毛がついていて、そこに虫を吸いつけて捕えます。虫トリスミレやモウセンゴケなどがこの仲間になります。

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主な食虫植物の種類と育て方のポイント

実際に食虫植物を育てる場合どのようなことに気を付ければよいのか、主な種類を例にいくつかポイントをご紹介します。

ウツボカズラ(ネペンテス)の場合

置き場所

置き場所は室内の日が当たる場所がベストです。日の光が当たらないと虫を捕える捕虫器が付きにくくなる可能性があります。春から夏は直射日光には当てず、レースのカーテン越し程度の光が良いでしょう。また日差しが弱まる秋から冬にかけてはしっかり日の光に当ててやってください。

水やり

土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。湿った状態であれば、水やりはまだする必要はありません。夏は早朝か夕方の涼しい時間帯に水をあげましょう。35度を超えるような真夏日に日中水を与えると枯れてしまう可能性があるので注意してください。

冬は15度以上をキープ

ウツボカズラは寒さに弱いので、冬場でも15度以上になるようにキープすることが大切です。日の当たる窓辺に置くか、透明の衣裳ケースなどに入れて温室のような状態で育てると温度も湿度も保てるのでおすすめです。

ハエトリソウ(ディオネア)の場合

置き場所

ハエトリソウは日光を好むので、1日6時間以上風通しが良い場所で日光にしっかり当てます。夏の直射日光に当てると土の温度が上がり、根が傷んでしまうため、レースのカーテン越しなどの優しい光に当てるようにしてください。

また冬は窓辺の明るく日が当たる場所で育てます。秋から冬にかけては冬眠状態に入るため枯れたように見えますが、春になると新しい芽を出すので、水やりは忘れず春になるのを待ってください。

水やり

春から秋にかけての水やりは、受け皿に水を3cmほどためてその上に鉢をのせておきます。受け皿に水がたまっていると根腐れすると言われますが、ハエトリソウは例外なので問題ありません。ただし夏場は受け皿にたまった水の温度が上昇しがちなので、温度をチェックし、なまぬるくなっていれば水を取り替えるようにしてください。

サラセニアの場合

置き場所

食虫植物の中で最も日光を好むサラセニアは、直射日光OK夏の暑い日差しでも元気に育ちますが、枯れた葉はこまめにカットして風通しをよくしてあげてください。寒さにも強いので戸外に出しっぱなしでも大丈夫です。ただし凍ったり霜が降りる場所は避けた方が無難です。

水やり

水やりは受け皿に水をはるやり方で管理します。水切れは厳禁なので土が乾燥しないようにしてください。。戸外に置いている場合は、雨で筒の中に水がたまってしまわないよう注意することも大切です。

モウセンゴケ(ドロセラ)の場合

置き場所

モウセンゴケも直射日光OKです。1日6時間以上風通しが良い場所でしっかり日光に当ててやります。夏場の強い日光は避けた方が良いので、室内の柔らかな日差しが当たる場所に移動しましょう。冬場も部屋で一番明るく日が当たる場所を探して管理してください。屋外であれば霜が当たらない場所に置くと越冬することができます。

水やり

春から秋は受け皿に水をはるやり方で管理します。ハエトリソウと同じタイプの植物なので、詳しくはハエトリソウを参考にしてください。

その他の食虫植物の場合

(ムシトリスミレ・レプトセラス・ブルガリスなど)
・置き場所:直射日光はNG。明るい日陰に置く。
・水やり:3cmほどの水を受け皿に入れておく。
・その他:夏に弱く冬に強い。凍らなければ越冬可能。

(モラネンシス・シクロセクタ・ギガンテアなど)
・置き場所:明るい日陰で管理。
・水やり:鉢表面の土が乾いたら水をたっぷりやる。植物には水をかけないよう注意。夜間は霧に包まれて生息しているため、霧吹きなどを利用して湿度を上げると良い。

食虫植物のミステリアスな姿を楽しむ!主な種類とそれぞれの育て方

知っておきたいコツと注意点

葉を度々触らない

葉が開いたり閉じたりする食虫植物の動きは見ているととてもおもしろいのですが、必要以上に指で度々触って楽しんでいると、葉が衰弱して枯れてしまうので注意が必要です。

虫以外のものを与えてもOK

食虫植物は虫しか好まないと思っているかもしれませんが、虫でなくてもチーズや肉のかけらを与えても大丈夫です。サラセニアやウツボカズラなど、油分や塩分が苦手な植物もあるので、与える前にはよく調べておいてください。

害虫対策

カイガラムシ

茶色いカイガラムシや白いコナカカイガラムシが付いたら、薬をつけてこすり落としたりピンセットなどでつまんで取りのぞいてください。

アブラムシ

アブラムシが発生したら、水をはったバケツに鉢ごと沈め、殺虫剤を葉全体に吹きかけて駆除します。

斑点病

葉に褐色の斑点が現れたら斑点病に犯されています。斑点病にかかった葉を見つけたらこまめに取りのぞいてください。普段から風通しが良く、雨風が当たらない場所に置いておくようにしましょう。

食虫植物は見た目も虫を捕獲する動きもとてもユニークで、その面白さやミステリアスな様子に子どもから大人まで夢中になります。元々生息している地域の違いなどから、通常の観葉植物とは育て方や注意点が少し異なっています。それぞれの特徴を理解して上手に育てながら、食虫植物の魅力をたっぷり楽しんでください。

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