花が咲かないのはどうして?紫陽花の正しい育て方

紫陽花

梅雨の時期の代表的な花といえる紫陽花。しっとりとした雨の中で鮮やかに咲く紫陽花は、日本各地の名所で目を楽しませてくれます。そんな紫陽花を自宅でも楽しみたくて育てているのに、なぜか花が咲かないということはありませんか?

実は、紫陽花にはかなり特徴的な性質があるんです。その特徴を踏まえながら、花が咲かない原因を探ってみましょう。


どんなお花?

紫陽花の開花は6月から7月にかけてで、ちょうど梅雨の時期に当たります。色は青、紫、ピンク、白などがありますが、花びらのように見える部分は本当は花ではなく、「がく」と呼ばれる葉の変形した部分です。紫陽花の「がく」は「装飾花」とも呼ばれ、雄しべや雌しべのある本物の花の部分よりも、色合いも華やかで目立つようになっています。色がアルカリ性や酸性といった土の性質によって変わることも、大きな特徴です。

紫陽花は形でいうと、2種類に分けられます。
1.小さくつぶつぶと集まった花の周りを、大きな装飾花が絵の額のように囲っているのが「ガクアジサイ」です。
2.装飾花が手まりのような丸い形にまとまったものは「アジサイ(ホンアジサイ)」と呼ばれます。

一般的に紫陽花といえば、ポンポンのような形の「アジサイ(ホンアジサイ)」の方がポピュラーかもしれません。しかし、元々の原種として日本に存在していたのは「ガクアジサイ」の方です。花言葉は、その性質や形状などから「一家団欒」「辛抱強い愛情」「移り気」などがあります。

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紫陽花の育て方

紫陽花の苗の植付時期は、3〜4月もしくは9月頃です。どことなく日陰のイメージがある紫陽花ですが、実際に育てるには適度な日光が必要です。一日のうちで数時間は日の当たる場所が望ましいですが、西日は日焼けしてしまうので避けた方がよいでしょう。

紫陽花は乾燥に弱い植物です。育て方のポイントとして、土を乾燥させないことは大切です。日頃から土の様子をよく観察し、乾いているようなら水を十分に与える必要があります。特に鉢植えは乾燥しやすいので、朝晩二回の水やりをします。地植えなら雨だけでも育ちますが、日照りによる土の乾燥には注意。

紫陽花は肥料を適度に与えることによって、元気に育ち、花の付きも良くなります。肥料は、寒肥と追肥の2回を目安とします。寒肥は1〜3月の冬の時期、追肥は花が終わった後に与える肥料です。

花の色は、酸性の土なら青、アルカリ性の土ならピンクとなることも、紫陽花の大きな特徴です。土の性質を変えることで、色も好みのものにすることができます。

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花が咲かない理由

紫陽花を育てようとしているのに、なぜか花が咲かない、という悩みはよくあるようです。花が咲かないことには、いくつかの理由が考えられます。

まず考えられるのは、「剪定の失敗」。紫陽花をきれいに咲かせるには、剪定が必要になってきます。しかしその剪定の際に、知らずに花芽を切り落としてしまっていた、というケースです。花芽がなければ、当然次の年には花は咲きません。

それ以外の理由では、「生育不良」ということがあげられます。例えば、紫陽花をずっと日陰に置きっ放しにしてしまうことは、日光不足の原因になります。他の多くの植物と同じように、紫陽花も日光不足では養分を蓄えることができません。

肥料を一度もあげていない、また逆に肥料をあげすぎてしまっているということも、また「生育不良」の要因となりえます。肥料は適度な量を、適切な時期にあげることが大切です。また、紫陽花の花芽は低温に弱いので、冬の寒風によって枯死してしまうこともあります。

正しい剪定の仕方

紫陽花は、なぜ剪定をするのでしょう。剪定をしないと花は咲かないのか、といえばそんなことはありません。むしろ、紫陽花は頑健な植物なので、特に地植えでは放っておくと背丈がどんどん伸びていきます。ただ、大きくなるのはいいのですが、同時に花もかなり上の方についていってしまいます。人の目線の高さに合わせつつ見た目をきれいに保つのであれば、やはり剪定は必要になってきます。

紫陽花の剪定で大事なポイントは、剪定の「時期」と「位置」です。まず、剪定の「時期」ですが、これは花が終わった7月頃が最適です。紫陽花は自然に散ることがないので、いつまでも花をつけたままにしておくと、その分余計な養分が取られます。

また紫陽花の性質として、今年花が咲いた同じ場所に、次の年の花は咲きません。翌年に咲く花芽はその少し下から出てきますので、今年咲き終わった部分は、枝が伸びる前にカットするのがよいでしょう。

そして、剪定の「位置」ですが、今年咲いた花の2〜3節下に花芽が出るので、そのすぐ上をカットします。この時に、間違って花芽を切ってしまうと、次の年に花が咲かなくなりますので注意が必要です。

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きれいな花を咲かせるために

花が咲かない原因として考えられるものはいくつかありましたが、特に剪定に関しては正しい知識をもっていたい所です。紫陽花の特質として、「今年咲いた花の枝には、翌年に花は咲かない」という部分をしっかり理解しておくことが大切です。

しかし、育て方には注意すべき点がいくつかあるものの、しっかりとポイントを押さえていれば紫陽花はそんなに難しい花ではありません。こうした知識を蓄えていくこともまた、花を育てる楽しみの一つといえるのではないでしょうか。

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