かぼちゃは、スープ・煮物・サラダ・グラタン・天ぷら・お菓子作りにも使える万能野菜ですね。また、赤ちゃんの離乳食にも使いやすい野菜です。
かぼちゃは緑黄色野菜で、特にβカロテンが豊富ですね。甘くてそのまま蒸し野菜にしても美味しい野菜です。
今回は、そんなかぼちゃ栽培について初心者でも分かりやすく解説していきます!
かぼちゃとは?
かぼちゃは、ウリ科かぼちゃ属の野菜で、栄養価が豊富なことで知られています。また、冬至という、かぼちゃを食べて風邪を予防する風習もありますね。
かぼちゃは大きな葉に長く伸びたツル、黄色やオレンジ色の花が咲いた後には大きな実がなります。実は硬いですが、切って加熱して食べるとホクホクとした甘さのある野菜です。
かぼちゃの原産地は?
原産地は中央アメリカ〜南アメリカ周辺の地域で、温暖な気候でたくさんの日差しを浴びて栽培されています。
日本で主に売られているかぼちゃの種類
主に3つの種類に分けられます。
1.日本かぼちゃ
粘質のあるかぼちゃで、天ぷらや煮物などにして食べることがおすすめです。
2.西洋かぼちゃ
甘みが強くホクホク感があります。
3.ペポかぼちゃ
形や色の変わったかぼちゃで、ハロウィンに使われるような変わったかぼちゃやそうめんかぼちゃ、どんぐりかぼちゃ、ズッキーニなどがこれにあたります。
かぼちゃはどの位実がなるの?
一つの株で5〜6個位なります。ただし、ツルが伸びて場所を取るのでそれなりの場所を確保してあげる必要があります。
かぼちゃを栽培してみよう
どの位の温度が良いの?
1.発芽時の温度
25〜30度が発芽しやすいです。
2.生育に適した温度
10〜35度の範囲で、一番適温なのは20度前後です。10度以下になると育ちにくく枯れやすくなります。
どこで育てられる?
畑で栽培するか、もしくはプランターでも可能です。
土や肥料はどんなものが良いのか
土は、赤玉土(6):腐葉土(3):バーミキュライト(1)の割合にし、それに石灰を土10ℓ当たり10g、元肥も土10ℓ当たり10gで配合します。元肥はつるぼけ防止の為に窒素の量が少ないものを選びます。
もし実付きがイマイチな場合は、カリ肥料を足すとよいです。
かぼちゃの栽培に適した時期
かぼちゃは秋冬のイメージがありますが、7〜8月頃に収穫されます。収穫してから追熟させて食べることが出来ます。
栽培するスケジュールとしては、3月下旬頃に育苗し始め(種をポットに蒔く)、4月下旬頃にポットから定植し、7〜8月に収穫という流れになります。
栽培の流れ〜準備から植え付けまで〜
準備
1.土作り
種蒔きから2週間位前に植え付けする時の土作りをします。プランターで育てる場合は、横幅が60cm以上あるものを用意しましょう。大型のかぼちゃを栽培するなら、苗1つにプランター1つが必要となります。プランターの場合はヘリから2cm下まで土を入れます。
土作りは先程の赤玉土(6):腐葉土(3):バーミキュライト(1)の割合にし、それに石灰を土10ℓ当たり10gと元肥も土10ℓ当たり10g入れて耕しておきます。水はけの良い土が生育しやすいです。尚、PHは6.0〜6.5にします。
場所の確保が難しい場合は、ミニかぼちゃにすると良いでしょう。
2.種蒔き
いきなり畑に種は植えず、ポット(12cm位)を用意して土を入れ、その中に1〜2粒の種を約1cm程の深さに押し込んで入れます。
3.発芽
種蒔きした後は水をたくさんあげます。発芽まで大体5〜7日かかります。
4.発芽したら
3月といえ、まだ寒い日もあります。寒さが気になる地域では、ビニールで覆って保温すると良いです。ビニールの穴あきトンネルに穴を開けてもOK。本葉が出てきたら、あまり数が多くなると生育に支障が出るので、3〜4枚元気な葉を残してそれ以外は芽を間引いてしまいます。
植え付け
本葉が4〜5枚になったところで、植え付けをおこないます。株間は90cm以上離し、立体栽培でする場合は60cm程離しましょう。
栽培の流れ〜植え付け後から収穫まで〜
収穫まで
1.摘心について
西洋かぼちゃやペポかぼちゃは、摘心(親ヅルを切ること)は不要です。日本かぼちゃは、本葉が8枚位出たら親ヅルを切ってしまいます。子ヅルはそのままにします。葉も重なると光合成がしにくくなるので、重ならないように実がない枝を切ってしまいます。
2.受粉
かぼちゃの実は雄花の花粉がめしべに付くことで実がなります。虫が来て自然に受粉することが出来ればいいですが、虫が来なければ雄花の花粉をめしべに付けてあげる必要があります。受粉しないとそのまま大きくならず、やがてその部分は枯れます。
3.立体栽培をする場合
地這いより立体栽培することで、風の通りも良くなり日も当たりやすくなります。支柱を立ててツルを誘引し、紐などで止めておきます。
4.追肥
ツルが50〜60cmほど伸びたところで、化成肥料を1㎡当たり40g追肥します。実がなって7〜8cmに成長したら、再度追肥します。
5.実が大きくなってきたら
実が大きくなってきたら、そのまま地面にかぼちゃがつくと、傷んだり虫に食われて傷がついてしまうので、ワラを実の下に敷きます。そうすることで地面に触れにくくなります。
実が地面に接している所があると、その部分は他の部分と違って緑色になりませんが、味は他と変わりません。
収穫
1.どの位で収穫したらいいの?
日本カボチャは表面に白い粉がふき始め、色が褪せてきたら。西洋かぼちゃは表面にツヤがなくなり、ヘタを見た時にコルクのようになったら収穫の合図です。花が咲いてから45〜50日位で収穫できます。
2.追熟
収穫後7〜10日位風の通る場所に置いておきます。そうすることでよりかぼちゃに甘みが出ます。これは、デンプン質が糖へと徐々に変化していくためです。1〜2か月置いても可で、収穫してから3か月はそのままでも大丈夫です。
気になる連作障害は?
作物を作るのに、同じ畑で連続して作ることで発育が悪くなることを連作障害といいます。トマト、ジャガイモ、エンドウ、キュウリ、スイカ 、ナス、ピーマン、インゲンなどは連作障害が出やすい野菜といえます。
かぼちゃは連作障害があまり出ないので、同じ場所で栽培することが出来ます。
病気の心配は?
かぼちゃは次のような病気になりやすいです。
1.べと病
葉の表面に煤状のカビや黄色い小さな斑点が出ます。
2.うどんこ病
葉の表面に薄く白い粉っぽいカビが出ます。
3.モザイク病
アブラムシによって媒介する病気で、これにかかると葉がモザイク模様になり、酷いと葉が縮れてきます。
春や初夏は野菜の種蒔きシーズンですね。かぼちゃは連作障害があまり出ないので、何かを育て終えた土を替えたり休ませたりせず、再度土が使えるところがいいですよね。
大きな実がなると嬉しくなりますし、食べる楽しみにもなってきます。思いのほか栽培の手間はかからないので、お料理やお菓子作りに使える栄養豊富なかぼちゃを、是非栽培してみませんか?