いろいろなお料理にアクセントとして利用できるミョウガ。ちょっと癖のある味が食欲をそそりますね。ミョウガは薬味として使われるので、料理に使う量は少なめ。しょっちゅうスーパーで買うのもちょっと・・・と不満に思っていませんか?そんな方におすすめなのが、自宅でミョウガを栽培する方法です。ミョウガは一度植えたら3年ほど収穫でき、育て方もとっても簡単なので家庭菜園をしたことがない方にもおすすめです。そこで今回はミョウガの育て方をご紹介したいと思います。癖の強いミョウガが苦手という方も自分で栽培したものは格別です。食べた時の口のピリピリを抑える食べ方もご紹介いたします。
まずはミョウガを知ろう
ミョウガはショウガ科ショウガ属の多年草で、原産は東南アジアです。
薬味としてそうめんやそば、うどん、冷ややっこに利用したり、天ぷらやみそ汁、お吸い物、酢の物に利用してもおいしくいただけます。
ミョウガの歴史は古く、平安時代より香辛野菜として利用されていたようです。
ミョウガには「花ミョウガ」と「ミョウガダケ」の大きく分けて2種類があり、どちらも食用ですが、一般的にスーパーなどで販売されている赤みがかったものは花ミョウガの方です。
ミョウガの収穫時期は年2回。7~8月と9~10月です。夏に収穫されるミョウガを夏ミョウガ、秋に収穫されるものを秋ミョウガと呼んでいます。粒が大きく香りや色が良いのは秋ミョウガの方ですが、最近は一年中スーパーに出回っています。
ちなみにミョウガを食用にしているのは日本だけです。
ミョウガ栽培の準備
必要なもの
・苗
・プランター(深さが30cm以上あるもの)
・野菜用の培養土
・完熟たい肥
ベランダや庭のないところで栽培するなら深さ30cm以上あるプランターを用意しましょう。庭に地植えももちろん可能です。
ミョウガは地下茎の状態で販売されていることがほとんどです。苗は長さが15~20cmくらいで、芽が2~3個ついているもので、乾燥しておらず、根や芽の部分にカビが生えていたり腐ったりしていないものを選ぶようにしましょう。
苗の植え付け前に土を用意します。プランターに培養土と完熟たい肥を2割ほど加えて混ぜます。地植えの場合は、完熟たい肥を土にたっぷり鋤きこみましょう。
ミョウガの植え付け
土が準備できたらミョウガを植え付けます。植え付けの適期は3~4月です。
15~20cm間隔で深さが8cm前後の穴をあけ、そこへミョウガの地下茎を植えていきます。ポイントは地下茎についている芽が上を向くように植えることです。
植えた後はそっと土をかぶせ、水をたっぷり与えて乾燥から守ります。植え付けから1か月程度で葉が見えてきます。
ミョウガの日頃のお手入れ
ミョウガは日向でも日陰でも育ちますが、乾燥を嫌うので水やりはたっぷり行います。日頃のお手入れで意識することは、乾燥を防ぐことだけで特別なお手入れはいりません。
だんだんと葉が茂っていくと、地下茎の周りに花穂が出てくるので手で折って収穫します。しっかり葉を茂らせることで光合成をし、養分が地下茎に蓄えられます。そうするとどんどん花穂が出てきます。
ミョウガの面白い話
ミョウガには面白い話があることをご存知ですか?ミョウガを食べると物忘れがひどくなるというものです。
昔話で科学的な根拠はないのですが、お釈迦様の弟子の周利槃特(しゅうりはんどく)という男は物忘れがひどく、自分の名前も忘れてしまうほど。そこで、お釈迦様が不憫に思い、周利槃特の首に名札をかけさせました。
ところが周利槃特は首に名札がかかっていることさえ忘れてしまうのです。そして死ぬまで自分の名前を思い出せなかったそうです。
周利槃特が後に亡くなり、彼のお墓の周りに生えたのがミョウガであったため、ミョウガを食べれば周利槃特のように物忘れがひどくなるというお話が生まれたということです。
このような面白い話に取り上げられるミョウガですが、実際はビタミンやミネラルがバランスよく含まれている健康食材です。
ビタミンC、カリウム、ビタミンB1・B2、葉酸、鉄など女性に嬉しい栄養素がたっぷりです。夏バテにも効果が高いので、そうめんやざるそば、ざるうどん、冷ややっこなど夏定番のメニューに薬味として加えましょう。
効果的なミョウガの食べ方
ミョウガは独特の香りと風味が特徴で、中には苦手と感じている方もいるかもしれませんね。でもアンチエイジング効果や健康効果も高いのでぜひ取り入れたい食材です。
ミョウガを生で食べたときに口の中でピリピリするのは、「α-ピネン」という刺激物質が原因です。α-ピネンの刺激を抑えるためには油脂分と一緒に食べるのがおすすめです。ピリピリが抑えられるだけではなく、栄養分も吸収しやすくなります。
ミョウガそのものを天ぷらにしてもいいですし、他の天ぷらの薬味として一緒に食べると良いでしょう。ただし、食べ過ぎは下痢を引き起す場合があるので注意してください。
愛情をこめて自分で育てたミョウガはよりおいしく感じられるのではないでしょうか。