皆さんは「きのこ」はお好きですか?きのこは低カロリーでありながら、食物繊維が豊富で栄養もたくさん!それでいて、料理をする際にも使いまわしが利く食材ですよね。
このきのこ、どうやって作られているかはご存知でしょうか?きのこは土や畑で場所をとりませんし、実は自宅でも育てられる食材なのです。要領さえつかめば、栽培はそんなに難しくありません。きのこの栽培には大まかに「原木栽培」と「菌床栽培」があるのですが、今回は「菌床栽培」でのきのこの作り方をご紹介していきます。是非楽しみながらきのこ栽培をしてみましょう。
きのこってどんな種類があるの?
代表的なきのこの種類と特徴をご紹介します。
シイタケ
きのこといえばシイタケというくらい親しまれていますね。干しシイタケにすることで更に旨み成分であるグルタミン酸・5′-グアニル酸が増します。
グルタミン酸(老化防止)、β-グルカン(免疫力アップ)、エスゴステリン(ビタミンDに変化)が代表的な成分となっています。
えのき
過去にえのき氷で有名になったえのき。ギャバ(肝・腎臓機能アップ、神経の高まりを抑える)、ビタミンB1(疲労回復)が含まれていて、特にB1はきのこの中でもダントツです。
まいたけ
旨みの強さ、独特の歯ごたえがあります。また、まいたけにはMXフラクションという痩せ体質を作る成分が含まれています。
なめこ
ぬるぬるとした粘質性のあるキツネ色をしています。パントテン酸が多く、エネルギーや脂質代謝にとても良い働きをします。なめこ特有のぬめりには、粘膜を保護する働きやタンパク質の吸収を促す働きがあり、コンドロイチンは膝などの関節痛を和らげてくれます。
エリンギ
食べ応えのある食感で、味にクセがありません。エリンギの抽出物には、脂肪の吸収を抑える効果があります。また、ビタミンB2(肌荒れに)、カリウム(むくみ解消)も豊富です。
しめじ
「味しめじ」といいわれるくらい、しめじの味はクセのない味であまり嫌いという人も少ないですね。また、旨み成分にグアニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸が豊富に含まれています。
マッシュルーム
洋風の料理に合うマッシュルームは、カリウム、ビタミンB2が豊富です。
松茸
「香り松茸」といわれるくらい、その松茸の香りを生かした茶碗蒸しや松茸ご飯などが美味しいですよね。きのこの中でも最高品種で、かなりお値段も張ります。
「菌床栽培」とは?
菌床栽培とは?
育てるきのこの種類にもよりますが、菌床といわれるきのこを生育させる培地を作って栽培させる方法です。室温や湿度が管理された屋内で栽培されるので、安定した栽培が出来ます。
ちなみに、原木栽培というのは、原木にきのこの菌を植え込んで栽培する方法です。
原材料は?
この菌床栽培には、次のような原材料が必要です。
・水(菌床内の水分は63%くらい)
・栄養剤(米糠、フスマなど)
・オガ粉(広葉樹、コナラなど)
・種菌
どういう菌床が良いのか
きのこの種類によって、菌床に適したものが変わります。
1.しいたけ
トチ・ブナ・シデ・ハン・クヌギ・カシ・シイなど。
2.しめじ
ナラ・トチ・ブナ・マツ・スギなど。
3.えのき
エゾマツ・スギ・コットンハル・コーンコブミールなど。
4.まいたけ
ミズナラ・カバ・コナラ・クヌギ・ブナなど。
5.なめこ
クリ・ケヤキ以外の広葉樹など。
6.ヒラタケ
サクラ・ヤナギ・トチ・リンゴ・ネムノキ・ミカン・モミジ・カキなど。
7.エリンギ
マツ・スギ・コーンコブミールなど。
どのくらいで収穫できるの?
まず、上記のものを用意し、湿度75%・温度20度の室内で熟成させます。1週間位で菌糸体が培地に広がっていき、90〜120日間かけて栽培の準備が整います。そこから10日から2週間で収穫できます。
菌床栽培のメリット
菌床栽培のメリットはというと・・・
栽培期間が短い
林間栽培や原木栽培で栽培すると、種菌付け〜収穫までの期間は1〜3年かかります。菌床栽培では、2週間で収穫が出来ます。
室内で栽培できる
市販されている栽培キットや材料さえ揃えれば、屋外でなく室内で栽培することが可能です。室内で観察しながら栽培することで、大きくなっていく楽しみもありますね。お子様の自由研究にもお勧めです。
きのこの育て方
きのこの栽培キットが大体1000円前後で売られています。しいたけ、なめこ、しめじなど様々なきのこがあります。
1.用意する
ビニールに入っている菌床を取り出し、専用容器にのせて付属の袋を上からかけます。
2.強い日差しは避ける
室内に置いておきます。夏場など室内が暑い場合は、空調を効かせて涼しい場所に。反対に、冬場は暖かい場所に置くと育ちやすいです。
3.湿度に気を付ける
菌床が乾いていたら、霧吹きで水分を与えて下さい。
4.10日〜2週間で収穫
10日〜2週間位を目安に収穫となりますが、その時の通気・温度・湿度によっては収穫時期や収穫量が前後することもあります。
収穫する際には、きのこの足の下を取ります。きのこの傘が開き切らない時に収穫すると良いでしょう。
5.菌床はメンテナンスをしながら6か月位使える
一度収穫したらそれでおしまいではありません。6か月位はメンテナンスを行ってからまた栽培して収穫できます。
収穫を終えた菌床は、ドライバーなどで上側下側と各4か所程(3cm位)穴をあけ、水を入れたバケツに漬け込んで浸します。重石などを置いて、菌床が浮かないようにしながら12〜15時間程浸けておきます。
6.再び専用容器にのせて栽培
1の要領で数回収穫できます。
順調に育てば何度も栽培と収穫が楽しめます。室内で育てられるので、常に生育を確認するのも楽しみの1つになりそうですね。