そのままでも冷凍にしても美味しいみかんは、日本ではおなじみの果物です。風邪の予防などで食べることを勧められますが、実際にお店に行ってみるとどんなみかんを選べばいいのか迷ってしまいます。そこで今回は正しいみかんの選び方とその保存方法について詳しくご紹介します。
みかんにはどんな栄養がある?
みかんに含まれる栄養分とその効能を詳しくご紹介します。
1.ビタミンC
ビタミンCには様々な働きがありますが、最も大きいのが免疫力を高める働きです。さらに細胞内にあるうるおいの成分、コラーゲンの生成や鉄の吸収に必要であり、酵素の働きを助けることで、肝臓の解毒作用を促進し、肌のメラニン色素の生成を食い止め、体の酸化を止める働きがあります。ビタミンEとビタミンCを共に摂取すると、抗酸化作用によってビタミンEをビタミンCが再生します。みかんには1個で1日に必要なビタミンCの半分を摂取することができ、体内でビタミンCが生成できない人間にとって、大切な食物なのです。
2.クエン酸
柑橘系の果物の酸味成分であるクエン酸は、筋肉の疲労などでたまっていく乳酸を分解する働きがあり、血液を弱アルカリ性にすることで血液の流れをスムーズにする働きがあります。これらの働きで新陳代謝を活発化し、疲労をためない体にして、疲労を予防します。
3.ペクチン
ペクチンは植物に含まれている、天然の多糖類で食物繊維の一つです。細胞と細胞をつなぐ働きをしており、小腸では消化吸収を助け、大腸では便の排出を助けることで、便秘を改善し、整腸機能によって、有害物質を外に排出します。脂質や糖質の吸収を穏やかにするため、急激な血糖値の上昇を防ぎ、コレステロールを低下させます。
4.ヘスペリジン
みかんの皮に多く含まれる成分で、ポリフェノールの一種です。ビタミンPとも呼ばれ、血管を拡張する働きで、血行を改善し、冷えを解消して体を温めます。また毛細血管を強くする働きもあります。
いつ食べる?どう食べる?みかんの食べ方
みかんは1個でカロリーは約20kcal程度であるため、デザートやおやつとして気軽に食べることができますが、食べるタイミングによってはみかんに含まれる栄養を十分に取り入れられないことがあるため、注意が必要です。
食前に食べる
果物に含まれている酵素は、消化を助けます。またみかんに含まれるペクチンは小腸で栄養の吸収を穏やかにするため、食前に食べることが必要なのです。さらに生の果物は消化されるのが早く、15分から20分程度であるため、食事の際や食後では、かえって消化が遅くなってしまいます。食べるなら食事の30分前に食べるようにしましょう。
できるだけ丸ごと食べる
みかんの白い筋や袋には、ペクチンやヘスペリジンが豊富に含まれています。食べる際にはこれらを取り除かず、丸ごと食べることで栄養を取り込むことができます。
食べ過ぎない
低カロリーで栄養が豊富といっても、食べ過ぎると逆に酸味で胃が荒れたり、食物繊維の摂り過ぎは便秘を悪化させます。1日に2個か3個食べる程度にとどめておきましょう。
みかんの正しい選び方
みかんは袋詰めされて売られていることが多く、見た目で選ぶ必要があります。しかし間違った選び方をしていると、せっかくのみかんもあまり美味しくないものを選んでしまい失敗してしまうことになってしまいます。以下の選び方を参考に、美味しいみかんを選びましょう。
きめの細かいもの
みかんの表面にあるブツブツは、油胞と呼ばれるみかんの香りとなるオイルを閉じ込めたものです。これが細かく多くあるみかんは、枝の先にぶら下がっているため糖分がたまっており、美味しくなっています。
色が濃いもの
みかんの皮は色が濃いものを選びましょう。みかんは濃い色であるほど動物に食べてもらえ、子孫を増やすことができます。
重みのあるもの
汁がしっかりあり、実が詰まっているものほど持ったときに重みが感じられます。
小さく皮が引き締まっているもの
皮がやわらかいものは、皮と実の間に隙間があるので、十分に汁分がなくパサパサの実である可能性があります。
このほか、へたの部分の軸が太めのものより、細い方がより多くの栄養を取り込んでいるので美味しいみかんとなっています。
少しでも長持ちさせるみかんの保存方法
みかんは常温で保存ができ、2週間から3週間は保存が可能です。ただし段ボールに入ったみかんなどは、そのままにしておくと上のみかんの重みで潰れた下のみかんが腐ってしまうことがあります。少しでも長く食べられるように、保存の仕方を工夫しましょう。
箱で買ったものやまとめ買いしたものは全部出す
機械で選別されたみかんなどは、外からの衝撃を受けて傷みやすくなっています。まとめて買った場合は、中身を全部出して傷んでないかチェックし、箱入りのものは、箱の下に入っていたものから食べるようにします。
冷暗所で保存する
傷んでないみかんは、段ボールを広げ、なるべく重ねないように置き、重ねる場合は間に新聞紙をはさみます。保存する場合は風通しのよい冷暗所で、部屋でも暖房のない場所で保存するようにします。
長期で保存する場合は冷凍する
皮をむいて中の房だけを冷凍する方法、もしくはみかんを丸ごと冷凍する方法があります。
房を冷凍する場合
皮をむき、房を一房ずつに分けてから金属トレイに並べ、凍ったらフリーザーバッグにまとめて保存します。
冷凍みかんにして保存する場合
きれいに洗って水気を取ってから、金属トレイに並べてラップをかけ、冷凍庫で凍らせます。凍ったら冷水に通し、再度冷凍庫に入れ、氷の膜ができたらポリ袋に入れて保存します。
冷凍の場合は1ヶ月から2ヶ月ほど保存できますので、たくさんのみかんがあって食べきれないなら傷む前に冷凍保存するようにしましょう。