葉ネギの育て方と収穫方法

葉ネギの育て方と収穫方法

葉ネギはユリ科の植物で、ベランダなどでも手軽に育てられるため、最近非常に人気が出てきています。「九条」「夏どり若香」「ちゃんこ葱」「小夏」などの品種があり、関東以北よりも関西での消費量の方が多い野菜です。暑さにも寒さにも強く、4月の下旬から9月の下旬まで何時でも種まきができるのがこの葉ネギのメリットです。葉ネギには健胃作用や殺菌作用もありビタミンCやビタミンB、カルシウムやリンも多く含まれていますので、ベランダに欠かさないようにすると何かと便利です。

葉ネギを植える準備

葉ネギには植木鉢よりもプランターの方が最適です。サイズは60cmぐらいのものが扱いやすいでしょう。土は市販の培養土で十分ですが、園芸が趣味なら赤玉土6.5:腐葉土2.5:バーミキュライト1で混ぜたものに石灰(用土10L当たり10~20g)と化成肥料(用土10L当たり10~20g)を使用するのがおすすめです。葉ネギは水ハケのいい土を好みますので、鉢底石を敷き詰めておくのも忘れないようにしましょう。

葉ネギは種から蒔く方法と苗を植える方法の2つがあります。種を蒔く場合はごく薄く土で覆い、水をたっぷりと与えます。発芽(7~10日後)までは土が乾かないように注意してください。苗で植える場合はポット苗を2~3本ずつに分けて、5cm間隔で植えていきます。

葉ネギの育て方と収穫方法

葉ネギの上手な育て方

葉ネギは日向を好むので、できるだけ日光の当たる場所にプランターを置くことをおすすめします。種から蒔く場合には発芽までは土が乾かない様に十分に気をつけてください。発芽してからの水やりは土を乾燥させない程度に適度に行います。何度もこまめに少しずつ水やりをするというよりも、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水をやる方が水分を効率的に吸収できるようです。ただし真夏は朝晩の2回、たっぷりと水やりするといいでしょう。

地植えの場合は水やりにはそれほど気を遣わなくてもかまいません。庭がある人ならプランターと言わずに、ぜひ葉ネギを地植えしておきたいですね。土地は種を蒔く2週間前に耕しておき、幅1メートルほどの畝を作ります。20~40cm幅の筋を棒などで付け、種を蒔いたら軽く土で覆って発芽を待ちます。プランターにしろ地植えにしろ、水やりは日中を避けて朝か夕方に行います。日中に水やりをすると水蒸気で苗が枯れてしまうことが有るので注意してください。

広告

葉ネギのお手入れ

葉ネギに付きやすい害虫としてはアブラムシやアザミウマなどがあります。アザミウマは白か黒の斑点が出るので比較的見つけやすいと思います。一方、アブラムシは乾燥した状態が長く続くと発生して植物を弱らせてしまうと云う特徴がありますので、できるだけこれらの害虫の被害を受けないように注意したいものです。

ネギハモグリバエも葉ネギにつきやすい害虫のひとつですが、株に防虫ネットをかけて保護しておくようにするとかなり害虫を防ぐことができます。雨が長く降り続くと発生するカビの一種「ベト病」も気をつけた方がいいでしょう。

追肥は苗を植え付けてから2週間ぐらい経ったころに一度行います。化学肥料を3~5gほど土と混ぜるのが一般的なやり方ですが、苗が成長してから追肥をやり過ぎると病気が発生しやすくなりますので、出来るだけ控えた方が無難でしょう。

意外と知られていないことですが、葉ネギには「コンパニオンプランツ」の効能があります。コンパニオンプランツとは周囲に植えられている植物の成長を助けるようなプラスの効能を持つ植物のことで、葉ネギの場合、根にある「バークホーデリア・グラジオリー」という善玉菌が抗生物質様の成分を分泌して周囲の病原菌を減らしてくれます。ですからプランターに発芽したのだけを植えるのではなく、観賞用の花などと一緒に植えるのもいいアイディアです。
葉ネギの育て方と収穫方法

いよいよ葉ネギの収穫

葉ネギの収穫時期は苗を植えてから約1ヶ月後が目安です。草丈が20cmから30cmになったら収穫しますが、株ごと抜いてしまわず、根元から3cmぐらいのところで必要な分だけハサミでカットすると新しい葉が伸びてきますので、長期間収穫を楽しめるというメリットがあります。

株を残したまま葉の部分をカットしていく場合には、追肥も忘れないようにするとさらに寿命が伸びます。トウが立ってしまうと味覚が落ちてしまいますから、花芽が出たと時はすぐに摘み取るようにするといいでしょう。

ヒガンバナ科ネギ属(アリウム属)に属している葉ネギは、株の部分から丸ごと収穫する白ネギと比較するとカリウムが多く含まれているのが特徴で、βカロテンやビタミンK、葉酸なども豊富に含まれています。薬味として上手に使いたいものですね。焼き物や炒め物、あえ物などでも大活躍してくれます。香り成分の「アリシン」には殺菌作用もあるので、風邪のひき始めに食べるのもおすすめです。

広告
葉ネギの育て方と収穫方法
広告