ネギは味噌汁に入れたり鍋物に使用したりと日本人の食卓には欠かせない食材です。緑色の部分にはカロテンがたくさん含まれていて白い部分にはビタミンCが豊富です。家庭でも長ネギや葉ネギを栽培できますが、ここではプランターでも栽培しやすい葉ネギの育て方をご紹介します。
葉ネギを栽培するための準備
まず、プランターを準備しますが、大きさは3~4株育てるなら小型のもの、それよりも多くの株を育てる場合は標準サイズのものを用意します。土は市販の培養土を使用します。自分でブレンドしたい場合は、赤玉土と腐葉土とバーミキュライトを混ぜますが、比率は6.5対2.5対1です。これにさらに用土10?に対して10~20gの苦土石灰を加えます。1週間ほどしてから、苦土石灰と同量の化成肥料を加えます。
それから、プランターの底に鉢底石を敷いて土を入れます。土はプランターの8分目まで入れてください。土をプランターいっぱいに入れないのは、水やりの時に一時的に水がたまるスペースを確保するためです。このスペースを水代(みずしろ)と言いますが水代があると土の流出を防ぐことができます。
葉ネギを種から育てる場合は、種をまく溝を作ってそこに1cm間隔で種を置いていきます。溝を2列作る場合には、間隔を15cm程度開けてください。葉ネギも長ネギ同様に根は酸素をたくさん必要とするので土は軽くかけて、その後水やりをします。種まきは4月の後半に行います。
葉ネギを苗から育てる場合は、5月になると園芸店で購入できます。まず、プランターの土に深さ10㎝幅10㎝の溝を作ります。それから苗を育苗ポットから土ごと取り出して、苗を2~3本ずつにして、10~15㎝程度の間隔をあけて植えていきます。根付くまで土が乾燥しないように十分水やりをします。
葉ネギの上手な育て方
プランターに種が発芽するまでは毎日、たっぷり水をあげます。発芽したら、本葉が2~3枚になる頃、丈が5cmになる頃に2~3㎝間隔になるように間引きます。間引きした部分は芽ネギと言ってあまり臭みがないので、お子さんでも抵抗なく食べることができます。捨てないでお料理に活用してください。苗から育てる場合も、土が乾燥したらたっぷりと水をあげてください。ただ、暑い時間帯に水をあげると水の温度が上昇して根腐れを起こす可能性があります。水は朝か夕方の涼しい時間帯にあげるようにしてください。
追肥は種まきから1カ月経過したころに行います。化成肥料を与えますが、液体肥料を2週間に1度与えるという方法もあります。追肥をした時には、株元に軽く土寄せしてください。ただ、大きくなってからは肥料が多すぎると病気にかかりやすくなるので追肥は控えるようにします。
元気に育てるためのお手入れ
葉ネギは春先から育てる場合、アブラムシやネダニ、ネギハモグリバエ、アザミウマなどが付くことがあります。見つけたらすぐに駆除します。自然な成分を使用した安全な駆除剤を使用することもできます。
葉ネギがかかる病気としては、かび病、軟腐病、萎縮病などがあります。葉ネギは乾燥には比較的強いのですが、多湿には弱く、そのような環境では病気が発生しやすくなります。カビ病になると葉の表面に赤さびのような斑点が現れます。発病した株を見つけたら、すぐに抜き取るようにしましょう。葉ネギが軟腐病になると、水染みのような斑点が現れます。放置しておくと根が腐り葉がしおれて臭くなります。肥料のやりすぎや水はけが悪いこともこの病気の要因なので注意してください。
萎縮病は害虫が運んできたウイルスに感染して発症するものです。これにかかってしまうと治す方法がありません。アブラムシやアザミウマ、コナジラミなどが感染経路となるので、見つけたらすぐに駆除するようにしましょう。また、日ごろから株の様子をチェックして葉がしおれていないか、葉の色は正常かなどを確認し、早期発見しましょう。肥料のやり過ぎや多湿は葉ネギにとって大敵です。春先からの栽培は、虫がつきやすく、湿度も高くなっていくので、初心者の方なら秋から栽培するほうが手間がからず、収穫もしやすいでしょう。
収穫の時期と収穫方法
葉ネギの収穫時期は種まきから50~60日ほど過ぎたころです。20cm程度に伸びていたら収穫します。収穫する時には根元を5cm残すようにします。収穫した後に追肥をするとまた伸びてきます。追肥は液体肥料を使用しますが、肥料をあげすぎると病気になる可能性が高くなるので、成長の様子を見ながら判断するようにしてください。
また、株が成長を続けるとトウが立ってきます。トウが立つと葉の先が膨れてきます。そのような状態になった場合には、膨らんだ部分をカットしてあげましょう。トウ立ちすると硬くなり味も落ちるのでトウが立つ前に収穫しましょう。