シクラメンと聞いて何色の花を想像しますか?いろんな色がありますが、ピンクや赤が一番多いのではないでしょうか。その他にも、白や黄色、紫といった珍しい色のシクラメンもあります。新しい品種がどんどん出てきており、ガーデニングでも人気の花となっています。
シクラメンとはいったいどんな花なのでしょうか?育て方のポイントや、夏越しについてなどをご紹介いたします。これからシクラメンを育てる方は、是非最後までご覧下さい。
「シクラメン」とは?
この花の原産地は地中海です。シクラメンの球根は円形で、開花した後結実し、花茎を巻いて育つ習性を持っています。これらのことからギリシア語では、らせんや円を意味する「キクロス」という名前がつけられています。
日本では、シクラメンという名前の他にも、カガリビバナや、豚の饅頭などといった名前でも呼ばれています。
カガリビバナという名前は、花が反り返っている形からきています。一方、豚の饅頭というのは、ちょっとおもしろい名前ですよね。これは、英名のsow breadを日本語に訳した物になっています。
花の色には、赤、ピンク、紫、白、黄色など、様々な色があります。花が咲いている期間が長いのも特徴の一つとなっています。花言葉はいくつかあり、
・内気
・はにかみ
・嫉妬
・清純
・憧れ
・遠慮がち
などがあります。花の色によって、花ことばが違ってきますので、贈る人に花ことばも一緒に贈る時は注意して下さい。
シクラメンの育て方のポイント
シクラメンを実際に育ててみた方の中には、すぐに枯れてしまうという声が非常に多いです。ですが、ポイントを押さえておけば、長期間美しい花を楽しむことができます。
生育環境
耐寒性があるお花ですが、冬場(12~3月頃)は、屋外だと霜がついて枯れてしまうことがあります。日辺りの良い窓辺で、冷たい風があまり当たらない所が良いでしょう。
また、窓辺でも、夜は冷え込むので、置く場所を部屋の真ん中辺りに置くか、又は、窓辺には厚手のカーテンなどをして温度を調節しておくようにしましょう。適温は15~20℃です。
冬場は、室内で暖房をつけるので、室温が上がります。暖房器具のそばに置くと、あっという間に枯れてしまいます。そばでなくても、暖房がきいているお部屋で育てる場合は、葉の部分に、スプレーで水をこまめに吹き付けて、水分を補ってあげることを忘れないようにしてください。
春先(4~6月頃)は、昼間は外に出して、雨にあたらない日辺りのよいところに置いてあげましょう。4月始め頃は、まだ夜は冷える日もありますので、お部屋の中に入れてあげて下さい。
梅雨の期間は、雨が当たらず風通しも良い所に置いてあげるようにしましょう。
水やり
冬の植物であるシクラメンを長く楽しむには、しっかりと水分を補給してあげることが大切です。底面給水鉢で育てるのが一般的で、受け皿の水がなくなったら足してあげます。月に一度は、受け皿を一旦はずして、土の表面からしっかりと水やりをします。また、土の表面が乾いていたら、軽く水を揚げるようにしてください。
普通の一般的な鉢で育てているなら、土の表面が乾燥してきたら、葉をかきわけて、球根部分を避けて株元に水をやるようにしてください。球根部分は湿気を嫌います。水やりの時に水をかけてしまうと、傷んでいきますので注意して下さい。
肥料
9月~翌年の5月始め頃までは、週に1度の頻度で、液体肥料を与えます。夏場は2週間に1度でいいので、薄めの液体肥料を与えますが、休眠株には与えなくても大丈夫です。
購入時期
シクラメンは10~3月が見頃です。残暑が残る間の購入は避け、気温が20℃を下回った頃に購入するのがおすすめです。
咲き終わったらつむ
花が咲き終わると、種が作られ、そこに栄養が送られるようになってしまいます。なるべく、花弁が茶色く変色したら、根元から摘み取ってしまうようにしてください。摘み取るさいは、はさみは使わず、指先でねじるようにすると、抜けやすいです。
シクラメンの夏越しについて
冬場に元気なシクラメン。この植物の夏越しはどうすればいいのかという声が非常に多くあります。
この植物は、5月頃になると、花もすっかり枯れて無くなり、葉も少なくなっていきます。次の冬にもう一度きれいな花を楽しむためには、夏場の管理がポイントになってきます。この管理をしっかりすれば、何年でも季節になるとシクラメンの花が楽しめます。
夏越しできるかどうかは、球根で判断します。かたくてしっかりしていれば大丈夫です。何か病気にかかっていたり、根腐れしてしまっていてはできませんので、廃棄となります。
生育環境
直射日光が当たらない日陰で、風通しの良い所に置きましょう。また、雨などもかからないような所を選んであげて下さい。コンクリートなどの所に直に置くと、夏場はかなりの高温になってしまいます。少し高さのある所に置くのが良いでしょう。
いくつもの非休眠株を夏越しさせる場合、害虫などの発生を減らす為に、間隔をあけておくようにしてください。
水やり
底面給水鉢なら、基本的に水やりは、受け皿に水が無くなったら足すという方法ですが、土が乾いていたら水をたっぷり補給してあげて下さい。先にも書かせていただきましたが、月に一度は、受け皿をはずし、土表面からたっぷりと水を上げるようにしてください。水やりの際は、球根には絶対にかけないよう注意して下さい。
肥料
月に1度でいいので、液体の肥料を薄めた物を与えてあげます。
枯れた葉っぱなどがあれば、取り除くようにしてください。5~9月頃は、細菌が原因の球根腐敗病などの病気になりやすい時期になります。予防には、ベノミル剤がおすすめです。
冬でもシクラメンでガーデニングを楽しもう!
寒い季節になると、ガーデニング作業も億劫になりがちです。ですがシクラメンは、寒い季節に元気にきれいな花を咲かせてくれる植物です。お部屋でも、置く場所に注意することで、上手に育てることができます。
様々な色の花が楽しめるシクラメン。上手に夏場を乗り切れば、何年も花を咲かせてくれます。ただ、夏越しはやってみると以外に難しく、なんとか乗り切っても、二年目は最初の年と比べると、花が少ないということもあります。
最初から「ずっと何年も大切に育ててみせる!」と気合を入れすぎず、夏越しは「挑戦」という気持ちでやってみるのがおすすめです。
さっそく今年の冬から、シクラメンを育ててみて下さいね。