紫陽花は日本で道を歩いているとよく見かけて親しみ深く、多様な色が楽しめる花です。そんな紫陽花を育ててみたいと思ったことはありませんか。でも、いざ育てるとなると植え方や育て方、色の作り方などわからないことが多いでしょう。そこでここでは、紫陽花の植え方や育て方、色など紫陽花を育てたことがない方にもわかりやすく紹介します。
どんなお花?
紫陽花はアジサイ科アジサイ属の落葉低木植物で、日本が原産の花です。品種は100種以上存在します。日本の品種は、日本に自生している「ガクアジサイ」や「ガクアジサイ」を品種改良して園芸種にした「ホンアジサイ」が有名です。また、「ガクアジサイ」をヨーロッパで品種改良して日本に逆輸入した「ハイドランジア」といった品種もあります。
5から7月に花をつけますが、一般的な見頃は6月上旬から7月上旬です。樹高は30cmから3mほどであり、耐暑性・耐寒性は強く、育て方が比較的簡単な花です。耐陰性もありますが、適度な日当たりがあった方が育ちやすいです。
一般的な色は白、赤、青、紫ですが、最近は緑やアンティークカラーの色をした紫陽花も出てきています。花弁の色が様々に変わることから「七変化」、「八仙花」という別名が紫陽花にはついています。
紫陽花の育て方
まず、紫陽花の選び方ですが、葉につやがあり葉の緑色が綺麗なものを選ぶことが大切です。蕾ができてから花が咲くまでの間に花の色が変化するので、すでに咲いている花の色をみて欲しい色の紫陽花を選んでください。ただし、アンティーク色をした紫陽花は花が咲いた時点で花の色が変化している途中であることもあり、次の年には違う色となってしまうこともあるので気をつけましょう。
次に紫陽花の育ち方の特徴ですが、紫陽花にはその年に伸びた枝には翌年、花が咲かないという点があります。つまり、その年に伸びた枝に花が咲くのは翌々年以降であるということです。
紫陽花の育て方ですが、絶対に剪定をする必要があるわけではなく、むしろ花が咲かない原因の一つが剪定により2年以上前に伸びた枝がなくなってしまうことだったりします。ただし、剪定しないと紫陽花はどんどん伸びてしまうため、小さくまとめたい人は少しは剪定が必要です。
紫陽花の病気ですが、代表的なもににはうどんこ病、灰色かび病があり、害虫としてはハダニやアブラムシがつきやすいので注意する必要があります。
植え付け時期と開花時期
紫陽花を地面にそのまま植える時には冬に植えます。紫陽花を地植えするとどんどん大きくなるので、なるべく広いスペースを確保して植えます。うどんこ病予防のため、なるべく風通しが良く、また花のつきをよくするために日当たりが多少は良い所に植えることがおすすめです。
紫陽花を挿し木をして植木鉢に入れて育てる育て方の場合は6月から7月にかけて挿し木を行います。紫陽花は育ちが早く鉢植えに植えると養分が不足して花が咲かなくなることがあるので、毎年剪定時期に植え替えが必要です。
紫陽花の花は5月から7月にかけ赤や青など様々な色の花を咲かせます。一般的にアルカリ性の土壌では赤系の色の花が咲き、酸性の土壌では青系の色の花が咲くので、欲しい花の色によって土壌のphを整えて紫陽花の色を楽しみましょう。
地植えの紫陽花には特別に肥料を与える必要はありませんが、鉢植えの紫陽花には冬から春にかけて肥料をあげてください。地植えの紫陽花には植え付けを行なった直後以外は特に水やりは必要はありませんが、水不足は枯れる原因になるので地植えの紫陽花にも鉢植えの紫陽花にも地面が乾いたら水をあげる必要があります。
紫陽花の花の色の種類
紫陽花の花にはアントシアニンという色素が含まれています。このアントシアニンがアルミニウムと結合することによって花の色が変わります。アルミニウムは酸性の土壌には溶けやすいため、アントシアニンがより多くのアルミニウムと結合し花の色は青くなります。
一方、アルミニウムはアルカリ性の土壌には溶けにくいため、アントシアニンはアルミニウムと結合しづらく、花の色は赤くなります。これが一般的な土壌による花の色の変化です。ところが紫陽花の品種によっては、花の色が赤や青、白などに固定されていて育て方を工夫しても色が変わらないものもあるので、欲しい色の花の色を確認して購入するようにしましょう。
アンティーク色の紫陽花は秋色紫陽花といい、もともとは通常の紫陽花が気温の変化によって花の色が変化したもののことを指します。ただし最近では始めからアンティーク色が出るよう品種改良された紫陽花も出ているので、どうしてもアンティーク色の紫陽花を育てたい時はこのような品種を買う方が確実にアンティーク色の花色が得られます。
紫陽花の色と育て方のまとめ
このように、紫陽花は強く、難しいお手入れや複雑な作業を必要とせず、育て方がとても簡単で初心者にも育てやすい花です。また紫陽花は、様々な色が毎年楽しめ、品種によっては前年とは異なる色が楽しめる変わった花であるともいえるでしょう。この機会に育てやすく、色の変化が楽しめる紫陽花をご自宅で育ててみてください。