お鍋に入れる定番野菜といえば、白菜と答える方が多いのではないでしょうか。白菜はお鍋以外にもサラダや煮物、お味噌汁などいろいろな料理に使える万能野菜のひとつ。そんな白菜、家庭菜園で育てることができるってご存知でしたか?白菜は種まきから収穫までわずか2ヶ月程度とあっという間。しかも栄養豊富なので、白菜の家庭菜園に挑戦してみてはいかがでしょうか。そこで今回は、白菜の育て方をご紹介していきます。
白菜の特徴
中国北部が原産とされる白菜は、東洋を代表する葉物野菜として食べられています。
味はやや甘く癖がありませんので、いろいろな料理に使うことができ、主役・脇役の両方になる万能野菜です。また白菜はカロリーが低いので、ダイエット中の方でも安心して食べられます。
白菜の旬は11月下旬〜2月ごろで、霜に当たると風味や糖分が増して繊維も柔らかくなります。冬が旬の白菜は、最近では冷涼地やトンネル栽培によって1年を通して食べられます。
白菜にも様々な品種があり、その数は150種以上も存在します。
また白菜は約95%が水分にもかかわらず、ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、食物繊維など様々な栄養が詰まっています。中でもビタミンCの含有量が比較的多いので、風邪予防や美肌効果も期待できます。
そして食物繊維も豊富なので、便秘の解消や大腸がんの予防効果も期待できます。
白菜の育て方〜種まき・土づくり・植え付け〜
白菜は広い庭や畑がなくても、品種によってはプランターでも十分に育てられる野菜です。
種まき・土づくり
白菜の種まきは栽培する地域によって差があり、冷涼地では8月上旬〜下旬、中間地では8月中旬〜9月上旬、暖地では8月下旬〜9月中旬に行います。
生育適温は15〜20度なので、栽培する地域によって種まきの時期は注意しなければなりません。
家庭菜園として育てやすい品種はミニ種の「お黄にいり」や「黄味小町」、「満風」があります。
用意するプランターは、一般的な標準サイズで十分で、ミニ種なら3株ほど栽培できます。
土はホームセンターなどでも購入できる野菜用培養土を使うと便利です。特に初心者の方は野菜用培養土を使うと失敗がありません。
種まきは直接プランターで行わず、ポットを使って発芽させます。使用するポットは9cmポットで、少し間隔をあけて3〜4粒蒔いていきます。間隔を少し開けるのは子葉同志が触れないようにするためです。
種をまく深さは5mm〜1cmほどで、本葉が4〜5枚出るまで育てていきます。
余った種は冷暗所であれば2〜3年は保存できますから、また翌年も翌々年も白菜を楽しめます。
間引き
種まき後、約1週間〜10日くらいで発芽します。本葉が出てきたら子葉が触れないうちに間引きをしてください。残すのは元気な1本だけにしてあとは間引きましょう。
植え付け
本葉が4〜5枚になったらポットからプランターへの植え付けを行います。
白菜は葉を大きく広げなければなりませんから、30cmほど間隔をあけて植え付けていきます。
植え付け作業の際、白菜の根を傷つけてしまうと新根が出にくくなるので、注意しながら行いましょう。そして植え付け後はたっぷり水を与えてください。
白菜の育て方〜収穫までのお手入れ〜
プランターに植え付けまでできれば収穫まではあと少しです。
日々のお手入れは「水やり」と「土寄せ」「追肥」「摘葉」となります。
水やり
水やりは根付くまで「たっぷり」が基本。根付くまでにかかる日数は約2週間程度なのでこの間はたっぷり水を与えるようにしてください。
根付いた後の水やりは乾燥させない程度に量を少なめに調節します。水の量が多すぎると軟腐病にかかる可能性があります。
土寄せ
水やりをした後や雨が降った後などは株が倒れやすい状態になっています。それを防ぐには「土寄せ」を行うことを忘れないようにしましょう。
土を寄せて株を安定させる作業なのでとても簡単です。土寄せを行う必要があるのは結球前までで、結球が始まったら成長を阻害するので行ってはいけません。
追肥
プランターで白菜を栽培する場合、畑で栽培するよりも土壌が弱いので、野菜用化学肥料を植え付ける段階で10〜20g、本葉が8〜10枚頃に1株あたり10g、芯葉が巻き込み始め頃に1株あたり10g与えましょう。
肥料不足は結球不良の原因になります。
摘葉
白菜は害虫や病気の被害を受けやすい野菜なので、傷んでいる葉をそのままにするのはNGです。外葉が害虫被害にあったり、色が黄色くなっているようなら早い段階で摘み取ります。
白菜の収穫方法
白菜の収穫時期は種まきをして60〜100日程度です。収穫できるかどうかの判断は、結球している部分を軽く押さえたときに固く閉まっていれば収穫OKの合図です。
収穫方法は白菜の頭を斜めに押して傾け、根元をナイフで刈り取ります。
収穫した白菜は新聞紙でくるんで、冷暗所で立てた状態で保存すると長持ちします。
畑や庭がなしでもプランターで栽培することができる白菜。白菜は野菜高騰の影響を受けやすい野菜のひとつなので、そんなときでも自分で育てるとおいしい白菜を食卓に出すことができますね。
また白菜は病気・害虫の被害にあいやすいため、水の与えすぎに注意するとともに防虫ネットなどを利用して害虫から守りましょう。